“写真と暮らす楽しさ”を提案 写真雑誌『IMA』のお店が六本木にオープン

写真雑誌『IMA』や写真集・写真展の検索サイト「IMA ONLINE」を展開するIMAメディアプロジェクトが、3月15日(土)、六本木に「IMA CONCEPT STORE」をオープンします。

IMA CONCEPT STOREの入口まわり。中の様子が見えるので、安心して立ち寄れる雰囲気です。

IMA CONCEPT STOREは、ギャラリー、ブックストア、カフェの機能を備えた複合スペース。「IMA gallery」「IMA books」「IMA cafe」の3つのエリアから成り、「見る、読む、学ぶ、買う、飾る」といった写真の多彩な楽しみ方を体験できる場となっています。

場所は、六本木交差点から徒歩3分ほど、外苑東通り沿いに立つAXISビルの3階です。同ビルは、複数のギャラリーやデザイン事務所などが入居するデザイナーズビル。写真というアートを楽しむ空間が新たに一つ加わることになります。

先日、オープンに先駆けて開催された内覧会に出かけてきました。

ストアに足を踏み入れた瞬間の第一印象は、「広い……」。

間仕切りがなく空間全体を見渡せるため、とても広々としています。その広さはなんと、写真に特化した商業スペースとしては都内最大面積を誇るのだそうです。

空間プロデュースは谷川じゅんじ氏率いるJTQが、設計・デザインは彫刻家の名和晃平氏が主宰するSANDWICHが手がけています。

右手奥にはギャラリーが、左手は壁面に沿って本棚が続き、その奥にカフェが見えます。

エントランスを入ると目に飛び込んでくる大きな平台。たくさんの写真集が並んでいます。奥の壁の向こうがギャラリーです。
いくつもの本棚が置かれていますが、空間を広くとっているため開放感があります。奥のつきあたりがカフェです。

"LIVING WITH PHOTOGRAPHY"。

IMAメディアプロジェクトは「写真と暮らす」をコンセプトとして掲げています。

なるほど、ストア空間に身を置けばそんなコンセプトがよく伝わってきます。

椅子やテーブル、そしてそのまわりに置かれた本や雑貨。そして、写真。どことなく家庭のリビングのような落ち着きを感じさせます。

エントランスを入った脇のコーナー。ダイニングルームのようなイメージです。
生活の雰囲気を感じさせますが、俗にいうところの「生活感」とは違います(わかりますよね)。

「IMA books」では、国内流通の少ない海外レーベルや稀少写真集を含む約2,000タイトルを扱っています。さらに、入手困難なレアブックや自費出版のZINEなども幅広くセレクトしていく予定だそうです。雑誌『IMA』のバックナンバーも扱っています。

写真集など国内外の写真関連書籍を販売しています。サンプルは開いて見ることができます。
壁に沿って並んだ本棚にも写真集がたくさん。写真を飾るための小物やインテリア雑貨なども販売しています。
ゆとりをもって収められた写真集は取り出しやすく、本棚も圧迫感を感じさせません。
壁に取り付けるマガジンラック。雑誌や写真集をインテリアとして飾るのにピッタリです。
商品はディスプレイも兼ねて置かれているため、場の雰囲気に溶け込んでいます。「お店」であることを忘れさせます。
面出しにして並べた写真集。写真を「飾る」一つのアイディアです。奥に見えるのはカフェのテーブルです。

IMA CONCEPT STOREのオリジナル商品も洒落ています。来店の際には要チェックですよ!

オリジナルのノート。「本物」の証としてアート作品などに添付されるCOAラベルを表紙にあしらっています。
オリジナルトートバッグ。アンセル・アダムスの言葉 "You don't take a photograph, you make it."(写真は撮るものではない、作るものだ)が刻まれています。

テーブル席は2カ所、カフェのハイテーブルと大きな円卓が設けられています。店内の写真集をゆっくりと座って見ることもできます。
ハイテーブルにはコンセントを備え付け、モバイルの電源などに自由に使うことができます。もちろんWi-Fiも完備です。

座り心地のよい椅子に大きな丸いテーブル。その向こうの壁面はギャラリーとはまた別の展示スペースです。現在は、森栄喜氏の木村伊兵衛賞受賞作品が展示されています。

ギャラリースペースは、ストア奥の白い壁の向こう側に広がります。

この白い壁は、大胆にも回転式に動かすことができるそうです。ギャラリーの広さも形も自在に変化させることができます。

大きなヒンジを軸にまるで本を開くかのように壁を回転させて動かすことができます。
ギャラリー内。床面積がとても広いです。回転可動壁のレーンが床に弧を描いています。

展示の会期は1カ月半ほど、年に8、9回の企画展を行なう予定です。また、この場を使ってさまざまなイベントも行っていきます。オープン直後から予定されているフォトグラファーと各界著名人による連日のトークショーはすでに満員御礼状態だということです。

オープン第一弾の写真展は、国内外気鋭の写真家12名によるグループ展「Photography Now!」を開催しています。雑誌『IMA』で紹介してきた作家たちの作品が並びます。(会期4月20日まで)

広い壁を生かした展示は、グループ展であっても作品同士が干渉せず、眺める方も落ち着いた気持ちで鑑賞できます。
シンプルなギャラリーですが、ところどころにアクセントとして椅子が置かれています。まさに「写真と暮らす」のイメージです。

IMA CONCEPT STOREでは、写真を買いたい人もサポートします。写真を買うのが初めての人も、スタッフが相談に乗ってくれるので安心です。

オープンなスペースとは別に商談ルームを設けています。

IMA cafeでは、各種のコーヒーとスイーツを提供しています。

コーヒーを監修するのは東京・三軒茶屋の「OBSCURA COFFEE ROASTERS」。豆から厳選されたコーヒーです。そして、スイーツは、神宮前・レフェクトワールの品。焼き菓子数種類を用意しています。

コーヒー党にはたまらない芳しい香りがたちこめるカフェ。一杯ずつ丁寧に淹れています。
カフェカウンターの脇にも心安らぐ空間が演出されています。ここだけ見るとリビングルームのようです。
レフェクトワールのスイーツ。京都発祥のベーカリー、ル・プチメックの系列でたいへん人気のあるお店だそうです。
見た目もおしゃれなエスプレッソに身も心も温まります。写真集を片手にどうぞ。

このように、一言ではなかなか言い尽くせないIMA CONCEPT STOREですが、中の様子をご覧になって感じていただけたでしょうか。ファッション、インテリア、建築、音楽、グルメ等それぞれこだわりある人に響く要素を持ちながら、誰もが気負いなく楽しめるアートスポットに仕上がっています。

午前11時から午後10時まで開いているので、一人で息抜きに、あるいは友だちとの待ち合わせに、仕事帰りにと、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。

(2014/3/14)
1976年生まれ。カメラ誌出版社を経てフリー。カメラ雑誌や書籍での撮影・執筆を中心に、保育雑誌での撮影、その他依頼撮影などに従事。カメラはデジタル一眼レフと各種フィルムカメラを愛用し、フィルムカメラでは特にパノラマカメラHORIZONや中判カメラHASSELBLADがお気に入り。撮影テーマは、郊外、自然・アウトドア、子どもなど。ブログ:http://bashinote.blog.fc2.com