【女性限定】佐藤倫子先生に教わるイケメン ポートレート講座
ニコンカレッジ「フォトフェミ」に参加しました♪

ニコンイメージングジャパンが運営する写真教室「ニコン カレッジ」の女性専用講座「フォトフェミ!」。講師も参加者も全員女性ということで、「わからないことも気軽に質問しやすい」「参加者同士で写真を見せ合いながら楽しめる」という理由で人気です。

今回はハウススタジオで男性イケメンモデルさんを撮影するポートレート講座をレポートします。

ブレに気をつけてイケメンを撮影

イケメンポートレート撮影が行われたスタジオは、カメラマンの方がオーナーという場所。どの場所で撮影しても、きれいな光が入るように設計されているそうです。

最初に佐藤先生からポートレート撮影のアドバイスがありました。

講師の佐藤倫子先生。東京都出身。東京工芸大学短期大学部 写真技術科卒業。株式会社資生堂 宣伝部入社。退社後フリーランスに。写真家として都内中心に個展・グループ展を開催。企画からイベント、講座やセミナーなどへも活動。主に化粧品などの広告写真を撮り続けてきたことが基本となり、作品にも「美」のある写真を作り続けている
希望者には機材の貸し出しも行われました。用意された機材は、左からフルサイズ機のD610+AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G、AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G、AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED
モデルの佐藤雅臣さん。モデル事務所にスカウトされモデルの道へ。その過程で、髙木真理子氏に師事しウォーキングをはじめ、立ち居振る舞い・表現力・エスコートの仕方や魅せ方・総合モデリングを学び、現在はウォーキングインストラクターやビジネスマナーインストラクターでも活躍しています

佐藤倫子先生のイケメンポートレートアドバイス

1. 明るめに撮って爽やかに
露出補正を使って明るめに撮ると、爽やかな印象になります。ただし、絞り優先モードでプラス補正をするとシャッター速度が遅くなりぶれやすくなります。シャッター速度は、1/60秒以下より遅くなると被写体ブレや手ブレが起きやすくなります。ぶれるときは、感度を少しずつ上げながら調整しましょう。ISO800以上に上げる場合は、画質に影響ありますので、注意をしましょう。

2. ピント位置は重要
ピントはカメラまかせにするのではなく、自分でピント位置を決めましょう。また、ポートレートのピントは目に合わせるのが基本です。斜めの角度から狙うときは、レンズに近い方の目にピントを合わせましょう。

3. ブレに気をつける
どんなによい表情が撮れても、ぶれてしまっては残念な写真になってしまいます。しかし、絞り優先モードで撮影で夢中で撮影すると、シャッター速度が遅くなったことに気づけないこともよくあります。例えばブレを防ぐために、シャッター優先モードで1/125秒に設定するのも有効な手段です。

4. コミュニケーションを大切に
モデルさんと会話をして撮影したほうが、緊張もほぐれ自然な表情が引き出せるようになります。また、モデルさんとの距離が縮まれば、指示も出しやすくなります。ポートレート撮影は慣れないと、なかなかモデルさんに話しかけづらいと思いますが、恥ずかしいという気持ちを捨てて、どんどん話しかけましょう。

ポートレート撮影のポイントを学んだら、いよいよモデル撮影の時間です。名簿順にメインカメラマンになり、1人5分程度モデルさんに指示を出しながら撮影します。ほかの人は、メインカメラマンの邪魔にならないように横から撮影したり、自分が撮影するときの撮影場所やポージングを考えました。

スタジオの1階は屋外のプールと、白を基調とした室内で撮影できます。参加者の方は最初は恥ずかしそうにしていましたが、撮影が乗ってくると「趣味は何ですか?」「洋服はどの辺りで買い物しますか?」「彼女と話しているような笑顔をください」など、おしゃべりを楽しみながら撮影する余裕が出てきました。

参加者の方にお話を伺うと、

「男性がいる撮影会だと(男性はうまい方ばかりなので、へたくそな自分は)なかなか指示をしづらいのですが、女性ばかりだと恥ずかしさを忘れていろいろな撮影にチャレンジしたくなりますね」

「ほかの方のポージングの指示はすごく勉強になります」

という声を聞くことができました。全員が撮影し終わったところで、一度自分が撮影した写真を見直しました。佐藤先生から、「自分の印象より暗くなってしまったら、カメラの画像編集機能の「簡単レタッチ」を使うと印象が良くなるのでオススメです」というアドバイスもいただきました。

プール付きのハウススタジオです。海外を思わせる壁の質感を活かして望遠レンズで撮影しています
佐藤先生自らがレフ板を持って、参加者さんの撮影をサポート。レフ板で光を補うことで爽やかな印象に
「撮影に夢中になると背景まで意識が行きません。背景に柱や窓枠などが来るときは、人物の頭から出たり、傾かないように気をつけて」と佐藤先生からアドバイス
自分のメガネをモデルさんに渡し、爽やかなメガネ男子になってもらう参加者さんもいました。
室内の電気はすべて消し、自然光のみで撮影しました。白い室内は光がきれいに周ります。「今回のような光がきれいな場所は、ホワイトバランスはオートのままで充分きれいに撮れます」と佐藤先生
モデルさんが衣装を着替えている間に、画像編集メニューの使い方を教えてていただきました
メニュー画面から[画像編集メニュー]→[簡単レタッチ]を選びます。簡単レタッチは明るさやコントラスト、彩度を自動で調整してくれる機能
[強め][標準][弱め]と効果が選べます。また、編集した画像は、元の画像とは別の新しい画像として保存されます
撮影した画像を確認し、暗かった画像を簡単レタッチで補正する参加者たち

モデルさんが衣装を着替え、二階のスタジオに移動しました。二階のスタジオは1階とは雰囲気が異なり、キッチン、リビング、シャワールームなどの生活感のあるスペースが設置されています。

先ほどと同じように名簿順に1人5分程度、モデルさんに指示を出しながら撮影しました。

家具や小物が揃っている二階スペース
白を基調にした家具が置いてあるスペース
青色の壁が印象的なシャワールーム
黄緑色がかわいいキッチンスペース
「下から撮ると足が長く見え、プロポーションがよく見えます。だけど真下から撮ると鼻の穴が見えてしまうので、ベストなポジションを探しながら撮影してくださいね」と佐藤先生

撮影が終わり、1人1枚ベストショットを発表し、佐藤先生に講評してもらいました。自分がメインカメラマン時に撮影した目線ありの写真を選ぶ人、ほかの人がメインカメラマンの時に脇から撮影した自然な表情の写真を選ぶ人など、選ぶ写真もさまざま。ほかの人の作品を見て、先生の講評を聞くことは学ぶことが多かったようです。

佐藤先生のパソコンに撮影した画像を写しながら講評が行われました。発表されるごとに「わ~!」歓声が上がりました
作品を1枚ずつ丁寧に講評していただきました。参加者の方は、メモを取りながら熱心にお話を聞いていました
モデルの佐藤さんに感想を伺いました。「みなさん集中力があり、メインの方だけでなく周りの方もずっと撮影されていたので、気が抜けませんでした(笑) 普段は男性の方に撮られることが多く黙々と撮られるのですが、女性はコミュニケーション能力が高いので楽しい撮影現場でした」
撮影:ハルさん。「男性を撮らせていただく機会がなかなかないので、今回参加しました。初めは、モデルの方に声をかけながら写真を撮るのが難しかったですが、すぐに打ち解けて、受講生のみなさんと一緒に盛り上がってとても楽しかったです!」
撮影:梅サクラさん。「参加された女性の方たちの語りかけや撮影への取り組み方が、とても積極性で、楽しい時間を過ごすことができました」
撮影:秋色の空さん。「これまで風景や花を撮っていましたが、写真をやっていると聞くと、頼まれるのはポートレートなのでスタジオ撮影会の初参加です。やってみると課題が多く見えてきました。結局自分の番より、ほかの方がメインの時の写真の方ができが良かったです(笑)」
おはぎさん。「みんなでキャーキャーしながら撮るのがとっても楽しかったです! 撮っていてちょっと恥ずかしくなりました…男の人を撮るのももスタジオを使うのも初めてだったので、貴重な経験が出来ました。ありがとうございました。」

最後に佐藤先生にお話を伺いました。

「フォトフェミにいらっしゃる方は、『自分は下手だから…』と謙遜して、恥ずかしがって積極的に撮影するのをためらう方が多くいます。技術も大切ですが、みなさんの男性にない、女性ならではの素敵な感性を持っています。本日、みなさんの写真を拝見させていただきましたが、すごく上手です。もっと自信を持って女性の感性を大切に撮り続けてください」

「撮影で大切なことは、まず楽しむことだと思います。最初は緊張されていた感じでしたが、途中からみなさん楽しそうに撮っていただけて私も嬉しくなりました。今後もこのような機会を作っていくので、ぜひ参加してみてください」

シンガポールで撮影した佐藤倫子先生の写真展「SG 50 ☆」が開催されます

10月2日〜10月7日:AMS写真館ギャラリーI(京都)
10月28日〜11月7日:EIZOガレリア銀座(東京)

詳しくはこちらのページで。

(2015/9/11)
加藤マキ子(ツナ☆カメラ)
1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!