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Insta360 Luna Pro

シングルレンズの軽快なスタイルに上位機譲りの高性能

Insta360がシングルカメラのジンバルカメラ「Luna Pro」を9月10日(木)に発売した。ここでは実写動画を交えて使い勝手などをレポートしたい。

Insta360のジンバルカメラといえば、6月に登場したダブルカメラの「Luna Ultra」が話題だ。Luna ProはLuna Ultraから望遠カメラを省いた構成で、価格を抑えているのが特徴となっている。

カラーはコスミックブラックとステラホワイトで、通常版の価格は8万3,200円。Luna Ultra通常版との価格差は3万6,600円となる。

Luna Ultraの詳細については、掲載済みのレビュー記事も併せてご覧いただきたい。

望遠カメラ以外はLuna Ultraとほぼ同じ

広角のみのシングルカメラになるため、最大15倍ズームの望遠カメラが非搭載ということになる。

カメラのスペックはLuna Ultraの広角カメラと同じで、F1.8のLeica Summicron(ライカズミクロン)レンズを搭載した1インチ8Kセンサーとなっている。

ズームは最大4倍となり、2倍(40mm相当)のロスレスズームにも対応している。

シングルレンズなのでヘッド部分は小さい

加えて、Luna Ultraが搭載していた「200MPシネマティックパノラマ」という写真撮影モードが省かれている。

それ以外の主なスペックは共通となっており、画像処理エンジン、PureVideoモードの4K60P対応、ライカカラープロファイル、着脱式の操作部、被写体追尾の「Deep Track 5.0」、ストレージ関係(内蔵47GB、microSDメモリーカード対応)などは同じである。

重量は色によって異なるが、コスミックブラックの場合は215gとLuna Ultraより18g軽い。

デザインもLuna Ultraにならったもので、使いやすさは申し分ないものだ。独立したズームレバーを搭載しており、短く動かすと2倍、4倍とステップズームになる。また押しっぱなしにすれば連続したズーミングが可能だ。

グリップは滑りにくいテクスチャになっている
左にジョイスティック、右にズームレバーがある

ジョイスティックではジンバルのパンとチルトの調整が可能で、こちらも滑らかな動きとなっていた。

モニターは回転で電源のON/OFFも可能なほか、輝度も十分で日中の屋外でも見やすかった。メニュー画面や設定の操作は画面をスワイプして行うので、アクションカメラなどと同じような操作系である。

操作部を取り外して画面付きのワイヤレスリモコンにできる特徴も、Luna Ultraから引き継いでいる。操作部分を外すと即座にワイヤレスで繋がるのでストレスはない。再度カメラに装着した際の信号切替も素早い。

操作部分は分離可能。操作部分にマイクも搭載している

スマートフォンのInsta360純正アプリを使えば同じようなリモート操作はできるのだが、スマートフォンを取り出してアプリを立ち上げ、さらに接続をするというのは面倒な作業。Lunaシリーズの分離式モニターなら、その手間なく思い立ったとき、すぐリモート撮影ができる。

なお、本機もInsta 360アプリを使えばスマホなどでのリモコン撮影も可能。大きな画面で見たいときにはこちらを使うとよいだろう。

47GBの内蔵ストレージだが、4K30P記録の場合、ビットレートが「標準」で1時間50分、ビットレートが「高」で1時間17分撮影できる。

microSDメモリーカードに対応
収納時にジンバルを保護するラバー製のパーツも付属

高解像で夜景もきれい

まず解像力と画角の変化をチェックした。レンズの焦点距離は1倍が20mm相当、2倍が40mm相当、4倍が80mm相当となる。40mmが標準域、80mmは中望遠として人物撮影にも向く使いやすい画角といえる。

1倍とロスレスの2倍は解像力も十分で、ビルの細かいディテールまでしっかり再現されていた。デジタルズームの4倍はやや甘くはなるものの、よほどの大画面で見なければわからないレベルだろう。

撮影時の画面。右側にズーム倍率が表示される

連続ズームも滑らかで、Luna Ultraのようなカメラの切り替えによるショックもないため、ズームを多用するユーザーにはむしろ向いているかもしれない。

続いては歩きながらのブレ補正を試した。3軸ジンバルということで、とても安定して撮影できた。ブレや揺れが目立ちやすくなる2倍や4倍であってもしっかりと補正されており、移動撮影にも問題なく使える実力を確認できた。

ジンバルカメラはトラッキング機能を使って撮影すると、対象をフレームアウトさせずに撮れる。本機ではDeep Track 5.0を使った「ディープ追跡」が利用できる。ジョイスティックを押すと画面中央付近の被写体がロックされ、カメラを動かしても同じ位置に留めるようにジンバルが動く。

作例で白い鳥にロックしたところ、緑の枠が表示されてしっかりと追尾できていた。ご覧のように、途中で対象が遮られてもまた映った段階ですぐに追尾を再開してくれた。

そして暗所性能を見るために夜景も撮影してみた。サンプルの前半は標準動画モード、後半は暗所撮影向けのPureVideoモードとなっている。

比較するとPureVideoモードのほうが空のノイズがやや少なく、幾分スッキリとした映像になっている。ただ、小型カメラでは比較的大きな1型センサー搭載ということで、この程度の夜景であれば標準モードでも十分綺麗に撮影できるようだ。

最短撮影距離はLuna Ultra同様の9cm。マクロ撮影に強いこともアピールされている。料理を撮影したところ、かなり寄ることができた。ロスレスの2倍も併用すればかなりのアップも撮影できる。

ちなみにライバルのDJI「Osmo Pocket 4」の最短撮影距離は20cmとなっているので、大きなアドバンテージと言える(二眼タイプのDJI「Osmo Pocket 4P」の広角カメラは同9cm)。

まとめ

Luna Ultraが先に登場していただけに、機能面でLuna Proのインパクトは大きなものではない。注目ポイントは価格であろう。Luna Ultraは二眼ジンバルカメラとしては最高額で12万円近いスタート地点なのは少々購入のハードルが高いかもしれない。

その点、望遠カメラを使わないということであれば8万円台で機能充実のジンバルカメラが手に入るのがLuna Proの魅力。取り外せるリモコンやズームスイッチ、三脚付きの延長ハンドルなどOsmo Pocket 4(7万9,200円、スタンダードコンボ)には無い装備がある。

三脚付きの延長ハンドルが同梱されている

また視線の方向に合わせてジンバルが動く「POVヘッドトラッカー」が用意されているのも面白い。Luna Ultraの発売と同時に登場したアクセサリーで、360°カメラのInsta360 X6でも使用できる。

悩ましいのは、もう1万5,800円追加すると二眼のOsmo Pocket 4P(9万9,000円、スタンダードコンボ)が買えてしまうことだろうか。価格面で見ればLuna Proのライバルは、同じシングルレンズのOsmo Pocket 4というより、Osmo Pocket 4Pになるのかもしれない。

とはいえ、シングルレンズ機ならではの小型・軽量といった面はLuna Proの美点。旅行など、広角メインで少しでも機動性を高めたいユーザーにはバランスの良い1台になるだろう。

本誌:武石修