Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
安定感ある三脚システムが作品づくりの理想をもたらす
桐野伴秋さんが愛用する「LVM-323C」+「LH-47(RD)」
2022年8月22日 12:00
三脚の脚ロックの方式としては、ナットロックとレバーロックの2種類がある。
それぞれに特徴があるため簡単に優劣を決められるものではないが、自らを「レバーロック派」または「ナットロック派」と自認する写真家は多い。
今回は桐野伴秋さんに、レオフォトから登場したレバーロック三脚「LVM-323C」の使い勝手を中心に紹介してもらった。
高知県生まれ。「一瞬の中に永遠を宿す」をテーマに美しい地球の姿や日本の情景を後世に伝えようと写真作家としての活動を始める。キヤノンの世界版企業カレンダーに起用。カレンダー「幻想の日本」(山と溪谷社)を毎年発売。写真集に『セドナ:奇跡の大地へ』(講談社)など。 https://www.kirinoworld.com/
※本企画は『デジタルカメラマガジン2022年9月号より転載・加筆したものです。
ストレスフリーな三脚だから風景と一体になれる
国内の撮影が増えた近年。四季の移ろいを今まで以上に感じるようになった。
繊細で奥深い色彩美は、見えない物の存在をより明確に醸し出す。その豊かな季節の中で、自然側に立ち、まるで同調するかのように被写体と向き合って撮影をできる。私にとってはとても重要で、理想の作品づくりの基本となる。
その撮影スタイルに欠かせないのが三脚だが、レオフォトから以前より楽しみにしていたレバーロックシステムの三脚マンバM(LVM)シリーズが登場したことで、最近はそれを愛用している。使用モデルはLVM-323C、どっしりとした佇まいの3段モデルだ。「今日も頼むぞ」と声を掛けたくなる。
両手がふさがることの多い撮影時に、ワンタッチのレバー操作で高さ調節ができるというのはまさにストレスフリーだ。
操作部となるレバーロックの先端部はシリカゲルゴムが採用されていて、手になじみやすい。
操作性はもちろん、暗闇で撮影する孤独な時間もその感触に触れると、ほっと癒やされた気持ちになって安心感が得られる。
もう1点、脚部にメンテナンス用の六角レンチが装着されていることも画期的なアイデアだ。レオフォトらしい細やかな配慮と言える。
足元が不安定な撮影では、やはり石突はスパイクが有効となる。多くの三脚はゴム石突とスパイク石突を着脱して交換する必要があるが、LVMシリーズの石突は、ゴム石突を回転させると、スパイク石突が中から出てくる仕様となっている。石突を回転させるだけで、瞬時にゴムとスパイクを変更できて、とても便利だ。
外観も美しく、幾何学模様のようなカーボンパイプのデザインを個人的にはとても気に入っている。
組み合わせている雲台は自由雲台のLH-47(RD)だ。LHシリーズはとにかくバランスが良く、ノブの操作もしやすい。無機質なものほど感触を大事にしたいと常々思っている私にはピッタリだ。縦位置撮影用にノッチが2つ用意されている点も、操作性の高さに寄与している。
三脚側にも備わっているハーフボール機構とセットで、幅広く、そして細やかなアングル調整が可能だ。
安定感と利便性を兼ね備えた三脚と雲台のセットは、共に旅をしながら撮影するのにもってこいの相棒だ。刻一刻と姿を変える風景と、一瞬つながり奇跡の1枚を狙う。そのためには安心して使える三脚が欠かせない。