交換レンズレビュー

Sigma 20-60mm F2.8-4 DG | Contemporary

広角端F2.8と小型軽量を両立した新標準ズームレンズ

シグマが新型の標準ズームレンズ「Sigma 20-60mm F2.8-4 DG | Contemporary」を発表した。実機をお借りすることができたので、実写を交えてレポートする。

35mmフルサイズ対応で、ソニーEマウントとLマウントが用意される。発売は9月30日(水)。直販価格は13万2,000円となっている。

小型ボディにマッチする小径ズーム

一般的な標準ズームレンズは24-70mmといったものが多いが、本レンズは20-60mmと広角側にシフトした焦点距離なのが特徴。景色を広く撮ったり、引きの利かない室内でもよりワイドに撮れるといったメリットがある。

もう一つの特徴は小型軽量ということだろう。重量約385gで、フィルター径は67mmに抑えてある。今回ソニー「α7CR」に装着して試用したが、筆者が普段使っている24-105mmレンズに比べるとだいぶ軽くて取り回しが良かった。

ズームを望遠端にしたところ。カメラはソニー「α7CR」

特に、広角端でF2.8を実現しているのは歓迎したいところ。F4に対して1段明るいので、シャッター速度も稼げるし、大きなボケも期待できるからだ。

ちなみにF2.8なのは広角端の20mm時のみ。試したところ、21mmでF3.2となり、28mmでF3.5、37mm以降はF4となった。

合焦速度は純正レンズと変わらない感覚で、快適に撮影できた。ボディ内手ブレ補正もレンズから情報が伝わって動作するので、1/10秒といったかなり遅めのシャッター速度でもギリギリブレずに撮影できるレベルだった。

「MADE IN JAPAN」の表記も見える

そして近接撮影も本レンズの売りとなっている。35mm位置にすると撮影倍率が最大となり、1:2.3とハーフマクロに近い倍率となる。

ただこのとき、レンズ鏡胴の先端から被写体までは4cm弱まで近づくため、フードを外してもレンズの影が被写体に落ちてしまう。したがってライティングにはそれなりの工夫が必要になる。

鏡胴のビルドクオリティは高く、満足いくものだろう。ズームリングにはラバーの滑り止めがあり指掛かりも申し分ない。フォーカスリングは樹脂パーツの滑り止めだが、比較的軽めのトルクなので回しやすい印象だった。

ズームリングはラバー巻き
マウント側

さて、一番のライバルと目されるのはタムロンの「20-40mm F/2.8 Di III VXD」(ソニーEマウントのみ)だろうか。20mmスタートで重さは365gと軽い。そしてF2.8通しというのが強みになる。一方で、望遠側が40mm止まりなのがウィークポイントだ。

その点、本レンズはフルサイズカメラで標準とされる50mm域もカバーしており、望遠側では人物撮影でパースをより少なく写せるといった利点も見逃せない。

ほかを見ると、ソニー「FE 20-70mm F4 G」は本レンズに比べて望遠側が10mm長いものの重くて高価であり、パナソニック「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」は軽量で安価だが本レンズより1段程度暗い。

高画素機にも対応できる解像力

広角端で絞り込み、全体的な解像感を見た。ビルの外壁がかなり鮮明に描写されており、6,000万画素クラスでも十分対応できる性能と言えそう。

ソニー α7CR/マニュアル露出(1/100秒、F11)/20mm/ISO 100

同じ広角端で絞り開放をチェックした。20mmとはいえF2.8ともなると背景を大きくぼかせる。玉ボケも自然な輪郭できれいだ。

ソニー α7CR/マニュアル露出(1/125秒、F2.8)/20mm/ISO 100

望遠端を絞り開放にしてボケ具合を見てみた。柵までは1mほどに近づいているが、F4でも撮り方によっては背景はぼかせる。ピント面は同社Artシリーズほどのキレには及ばないが、ディテールをしっかり描いている。

ソニー α7CR/マニュアル露出(1/400秒、F4)/60mm/ISO 100

スナップ撮影で人気のある35mmの画角でモノクロにしてみた。ピントを合わせた手前の木目もしっかりした解像力で、そこからのボケもなだらかだ。

ソニー α7CR/絞り優先AE(1/100秒、F5.6)/35mm/ISO 100

撮影倍率が最大となる35mm位置で、被写体に最大限近づいて撮影。被写体に均等に光が当たるようにストロボを使う必要があったが、腕時計をここまで大きく写すことができる。

ソニー α7CR/マニュアル露出(1/160秒、F8)/35mm/ISO 100

まとめ

20-60mmという画角は旅行やスナップなどこれ1本をつけっぱなしにして使える利便性の高いズームレンジと言えそうだ。建築物や風景などをよりダイナミックに撮れるのは、24mmスタートのズームレンズにはない面白みだろう。

同梱のフードを装着したところ

昨今は動画を撮るユーザーも多いと思うが、動画は16:9にクロップされることや電子手ブレ補正などで画角が狭くなる。各社の20mmスタートのズームレンズは、動画も広い画角で撮りたいというニーズに応えたものでもあるのだろう。その意味では、Vlogなど動画撮影も考えているユーザーにも好適なレンズになる。

純正レンズに引けを取らない使い勝手、小型軽量であること、求めやすい価格など、20mmスタートのズームレンズの中では特色ある1本に仕上がっていると感じた。ライトウェイト派のユーザーはぜひチェックしてほしいレンズだ。

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。