- ボディ:オリンパス・ペンライトE-PL2(ブラック)
- レンズ:ローライ プラナー50mm F1.4 HFT
- マウントアダプター:muk select M4/3系ボディにローライ35SL QBMマウントのレンズ
- ストラップ:Acru カシェ(ブラック)
- 貼り革:Aki-Asahi E-PL2用貼り革キット(ネイビーブルーシュリンク)
ツァイスレンズといえば、真っ先に思い浮かぶのがヤシカ/コンタックスマウントだろう。マイクロフォーサーズの登場以降、コンタックスGマウントのツァイスレンズも人気だ。そうしたなか、ひっそりと息を潜めているツァイスレンズがある。ローライQBM(クイック・バヨネット・マウント)のツァイスレンズだ。ローライフレックスSL35向けのレンズ群で、ヤシコンマウントと同様、プラナー、ディスタゴン、ゾナーといった名だたるツァイスレンズがそろっている。
当初はドイツ製だったが、生産拠点の移動にともない、後年のローライQBM用ツァイスレンズはシンガポール製だ。日本ではドイツ製を珍重する風潮があり、シンガポール製ツァイスレンズは比較的安価に手に入る。いわばツァイスレンズの穴場というわけだ。今回はこのローライQBMのプラナーを、E-PL2と組み合わせてみよう。
ローライプラナーの醍醐味はHFT(High Fidelity Transfer)コーティングだ。レンズの生産拠点がシンガポールに移る前後から、ローライは独自のHFTコーティングを施すようになる。ヤシコンプラナーのT*コーティングとローライプラナーのHFTコーディング。オールドレンズファンであれば、描写のちがいが気になるところだろう。ローライプラナーは、ツァイスを味わい尽くした人の終着駅といえるかもしれない。
このようにマニア好みのローライプラナーだが、装着時はちょっとした注意点がある。ミラーレス機用ローライQBMマウントアダプターをいくつか試したところ、ピン押しタイプとピン押ししないタイプがあるのだ。ローライQBMレンズは後玉近辺に自動絞り連動ピンがあり、これを押し込まないと実絞りで撮影できない。A/Mスイッチ(自動絞りと手動絞りを切り換えるスイッチ)があるレンズなら、どちらのマウントアダプターでもMモードにセットしておけば問題ない。ただし、A/Mスイッチのないレンズは、ピン押ししないタイプのマウントアダプターだと常時開放撮影になってしまうのだ。オールドレンズファンであれば、M42マウントレンズのピン押しをイメージしてもらえばわかりやすい。マウントアダプターを購入する際は、手持ちのレンズとの相性をしっかり見極めよう。
ドレスアップ面はAki-Asahiの貼り革キットを用いてみた。昨今、貼り革キットはドレスアップの定番アイテムにまで成長したが、やはりペンシリーズとの組み合わせはバランスの良さが光る。その理由を考えてみると、ボディ全面を覆うのではなく、上下から地の色が見え、ボディカラーと貼り革のコンビネーションが成立しているからだろう。ストラップはAcruのカシェを合わせてみた。マットテイストで落ち着きのあるブラックレザーだから、どんなスタイルにも合わせやすいストラップだ。
muk selectのマイクロフォーサーズ用ローライQBMアダプターは7,800円。ピン押しタイプの安心設計だ | マウントアダプターの内周がせり出し、レンズの自動絞り連動ピンを押し込む仕様になっている |
Acruのカシェは6,720円。金具をすべてレザーで覆い、カメラとの接触に気をつかったデザインだ | Aki-AsahiのE-PL2用貼り革キットは1,700円。精密なカットと豊富なカラバリが特徴だ |
今回用いたプラナー50mm F1.4 HFTは、シンガポール製でHFTコーティングが施されている。ヤシカ/コンタックスマウントのプラナーT* 50mm F1.4は、繊細な描写が特徴的なレンズだ。一方、このローライプラナーは、その繊細さをさらにやさしくしたような趣きがある。また、濃厚なコーティングが影響しているのか、アンバーに片寄ることが多い。全般にウォーミーな画を得意とするレンズといえそうだ。なお、作例はJPEG撮って出しを掲載している。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
2011/3/16 00:00