デジカメドレスアップ主義:シャンパンゴールドの蘇生術

ソニーNEX-5 + カールツァイス Gビオゴン T* 21mm F2.8
Reported by澤村徹

  • ボディ:ソニーNEX-5(ブラック)
  • レンズ:カールツァイス Gビオゴン T* 21mm F2.8
  • マウントアダプター:キポン コンタックスGマウントアダプター
  • カメラケース:Aki-Asahi NEX-5用レザースナップケース(モスグリーン)
  • ストラップ:ヴァイヒィェ・ブリーゼ ハンドスラップ[12mm プレーンタイプ](ウォッシュグリーン)
  • ストラップパーツ:ヴァイヒィェ・ブリーゼ ストラップパーツ/コードバン(角穴ベルト式10mm/単品)

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 マイクロフォーサーズ用コンタックスGアダプターの登場は、多くのオールドレンズファンにとって衝撃的だった。長らく死蔵レンズと呼ばれたコンタックスGのツァイスレンズたちが、デジタルで光を取り戻したのだ。そして今、あのときの興奮がNEXシリーズで再来することになりそうだ。

 マイクロフォーサーズでは最後発だったコンタックスGアダプターだが、中国メーカーのキポンから早くもEマウント用が登場した。初期のマイクロフォーサーズ向けは広角系に未対応で、リファインを重ねた後、ようやくGビオゴン28mm F2.8に対応したという経緯がある。焦点距離が2倍相当になるとはいえ、デジタルでGビオゴンが使えると話題になった。しかしEマウント用は、のっけからGビオゴン21mm F2.8対応だという。オールドレンズファンなら自ずと期待が高まるというものだ。

 早速、Gビオゴン21mm F2.8をテストしてみたところ、大きな問題もなく撮影できた。ただし、取り扱いは少々デリケートだ。このレンズは後玉両サイドにレンズガードがあり、これがボディ内で干渉する危険性がある。そのため、あらかじめアダプターをボディに付けてからレンズを装着し、取り外す際もレンズを外してからアダプターを取り外す配慮が欠かせない。これはGビオゴン21mm F2.8のみならず、Gビオゴン28mm F2.8でも留意したい点だ。内部干渉はレンズやボディの個体差によるところが大きいが、自己責任で慎重に判断したいところだ。

シャンパンゴールドのコンタックスGレンズに、モスグリーンのレザーケースを合わせてみたKIPON製マウントアダプターはロータリー式で、外周リングをまわしてピント調節する
KIPON製アダプターは、オークションサイトやクラシックカメラショップで購入できるAki-AsahiのNEX-5用ケースは液晶チルトに未対応だが、そのぶん装着時のフィット感を高めている

 ドレスアップ面はAki-AsahiのNEX-5用レザースナップケースで着飾ってみた。このケースはNEX-5の形状に合わせ、底面に凹凸を設けてある。そのためボディの据わりがよく、装着時のフィット感は抜群だ。また、専用刃型でレザーをカットしており、これもフィット感に貢献している。ストラップはヴァイヒィェ・ブリーゼのハンドストラップを選んでみた。Gビオゴン21mm F2.8はNEXに付けると35mm判換算31.5mm相当なので、手軽なスナップスタイルで携行してはどうだろう。

KIPON製のコンタックスGアダプターは、実売1万5,000円前後。レンズが着脱しやすく、ロータリーの回転も滑らかだGビオゴンは後玉の両脇にレンズガードがある。これが内部干渉しかねないので要注意だ
Aki-AsahiのNEX-5用レザースナップケースは9,600円。底面に凹凸を設け、NEX-5の据わりがよいweiche Briseのハンドストラップはウォッシュ加工したレザーを使用。価格は4,200円。コードバンの取り付けパーツは1,365円

 Gビオゴン21mm F2.8は力強いコントラストと鋭いシャープネス、そしてトーンの美しさでファンが多い。ただし、NEXとの組み合わせでは難ありの描写結果となった。周縁部で色かぶりが顕著で、特に横位置の左右(縦位置の上下)が明らかにマゼンタかぶりしてしまうのだ。背景を選んでも色かぶりが目立つため、カラー撮影はかなり厳しい。しかしながら、モノクロモードでは緻密で立体的なトーンを見せてくれるので、モノクロ専用と割り切るのも一興だろう。今回はImage Data Converter SRでストレート現像したカラー画像に加え、クリエイティブスタイルを白黒にしたカットも掲載している。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしのRAW現像画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
NEX-5 / Gビオゴン T* 21mm F2.8 / 4,592×3,056 / 1/125秒 / F8 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / 21mm
NEX-5 / Gビオゴン T* 21mm F2.8 / 4,592×3,056 / 1/320秒 / F2.8 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / 21mm
NEX-5 / Gビオゴン T* 21mm F2.8 / 4,592×3,056 / 1/400秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 21mm
NEX-5 / Gビオゴン T* 21mm F2.8 / 4,592×3,056 / 1/1,600秒 / F2.8 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / 21mm
NEX-5 / Gビオゴン T* 21mm F2.8 / 4,592×3,056 / 1/500秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 21mm
NEX-5 / Gビオゴン T* 21mm F2.8 / 4,592×3,056 / 1/200秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 21mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2010/8/18 00:00