フォトアプリガイド
AfterFocus Pro(Android)
シンプルな操作でボケをコントロール!
Reported by 飯塚直(2013/8/9 08:00)
被写体を強調する手段は多々あるが、その中でも最も簡単なテクニックといえば、メイン被写体のみフォーカスを当て、周りをぼかす手法だろう。いわゆる“ボケ”を使うテクニックだが、スマートフォンのカメラ機能でボケをコントロールするとなると、これがとても難しい。
そこで今回紹介する「AfterFocus Pro」が役立つ。本アプリは、そんな“ボケ”の後加工に注力した画像編集アプリであり、簡単な操作でボケのコントロールが行なえるのだ。
使用したのはバージョン1.3.3。190円でダウンロードした。
画像を選択して編集画面へと切り替わったら、まず画面左下の「Focus」「Mid」「BG」という3つのアイコンを確認しよう。それぞれの役割として、「Focus」は“ボカさない”、「Mid」は“少しボカす”、「BG」は“ボカす”という範囲を指定できる。ちなみに、「Focus」は白色線、「Mid」は灰色線、「BG」は黒色線で画面上に表示される。
まずは、ボカさない範囲を「Focus」を使ってざっくりと指定する。この時の指定は大雑把なものでOK。画像に「Focus」による白色線を加えただけだと、全体が赤く表示される。
次に、ぼかしたい範囲を「Mid」あるいは「BG」で指定する。これにより、ボカさない範囲(赤くなった部分)が解除される。こちらもある程度大雑把になぞるだけでよい。要素の多い複雑な写真であればあるほど、「Mid」あるいは「BG」を利用した際の指定がギザギザになるが、比較的単純な輪郭の被写体であれば、キレイに処理される。
範囲指定が上手くいかない場合は、「Zoom」を利用して拡大すると便利。ギザギザになった部分など、拡大して細かく指定し直そう。
また、指定そのもの(線)を消すには、「Eraser」を利用する。「AfterFocus Pro」の基本操作はこれだけ。あとは、処理を実行するだけだ。
ちなみに、「マニュアル」モードも用意されている。画面右上部の「鉛筆」アイコンをタップすると、マニュアルモードへと切り替わり、画面右下の「Help」が「Brush」へと変わる。
マニュアルモードであっても、基本的な操作はこれまでのオートモードの説明と一緒。違うのは、線を引くのではなく、範囲の指定が“塗りつぶし”になることだ。線を引いただけでキレイに指定できない場合は、マニュアルの方が便利。上手くやれば「Focus」のみで指定は終わる。
ちなみに「Eraser」アイコンが消えていることからもわかるように、範囲の削除は「Mid」あるいは「BG」で直接塗りつぶす形で行なう。つまり「Focus」で塗りつぶされなかった範囲はすべてボケに加工されるというわけだ。
また、マニュアルでも「Zoom」の利用は可能。利用してみた感じでは、オートモードよりも、マニュアルモードの方が「Zoom」を多用するだろう。
ボケ範囲の指定処理が終わったら、画面右上の「右三角」をタップする。これで、ボケ加工が行なわれる。ボケの掛かり具合は「Blur」で調整も可能だ。
また、「Aperture」や「Filter」なども用意され、単純な“ボケ”調整だけでなく、フィルタ加工(B&WやSepiaなど)も行なえる。
「AfterFocus Pro」で加工した画像データは、FacebookやTwitter、Picasa、Flickerへ直接アップロードもできるため、それらサービスを利用しているなら、より手軽に利用できるだろう。
本アプリは、アプリ名にもなっているようにフォーカスを後加工するためのアプリだ。説明文では、“手軽にプロっぽい”写真が作れるとあるが、その本質はボケをコントロールすることでの被写体強調にある。操作はわかりやすく、また絞り形状の変更に対応するなど、“ボケ”の雰囲気を簡単に味わえる・再現できる点はすばらしい。
一方で、処理の境目、境界が気になることが多々ある。そんな場合は「Mid」による弱ボケで対応するわけだが、それでもだめなら「Blur」-「Edge Feathering」を有効化するとよいだろう。