写真展

張照堂写真展「少年心影 Images of Youth(1959-1961)」

(ギャラリー冬青)

張照堂は台湾を代表する最も重要な写真家の一人である。その作風はドキュメンタリーからコンセプチュアルかつモダンな作品まで幅広い。アメリカ、アジア各国の美術館やギャラリーで個展が開催されるなど、国際的な活躍をしている。2013年にはTaipei Fine Art Museumで大規模な個展が開催された。今回の展示では、最初期の1959年から1961年までの作品を紹介する。

張照堂は、1959年から1961年成功高等学校在学中、写真部に入部し当時の台湾の最も著名な写真家の一人、鄭桑渓の指導を受けた。若き日の張照堂は、写真のアレンジの仕方、様々なアングルからのイメージの捉え方などをみるみる吸収していった。学校や仕事場へ続く道、農村、川や海岸、また、子供から動物、通行人あるいは農民、労働者達・・・高校時代の作品から、庶民の生活に魅せられ、作品の主題とする事は始まっていた。

この時期、張照堂は兄から借りたAires Automat120二眼レフカメラを使用している。その為、立って写真を撮る時はファインダーは腰の高さにあり、しゃがんで写真を撮る時はファインダーはより地面に近づいた。結果として、写真の多くは、下から上を見上げるようなアングルになっている。それに加え、彼は特にシャイな若者で、人々に面と向かってカメラを向けることを避けるために、遊んでいる無防備な子供たちや、遠巻きから大人を撮る構図を好んだ。時には率直で純粋、また時には少し孤独なこれらのイメージに、早熟ではあるがまだあどけない青年の世界観を見ることができる。

作家の阮慶岳は語る。「これらの貴重な初期の作品に、すでに張照堂独自の写真の創造性の輪郭があらわれている。熱中しつつも鋭い観察力を持ち、静謐で、よそよそしくはないが馴れ馴れしくもない。不確かさと疑わしさの背後に、そこに存在するもの全てへの愛がある、彼が持って生まれた世界観を垣間見ることができる。未熟で臆病、世界に期待しつつも当惑している、若くて感受性の強い、自然が産み落とした魂のような作品である。」

(写真展情報より)

  • ギャラリー冬青
  • ・住所:東京都中野区中央5-18-20
  • ・会期:2014年4月4日金曜日~2014年4月26日土曜日
  • ・時間:11時~19時
  • ・休館:日曜日・月曜日・祝日

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