写真展告知

山田昇写真展:秩父路

秩父には昔ながらの暮らしが、今なお多く残っている。しかし、点在する集落では畑を耕す人たちに出会う 機会が年々少なくなっているように思う。先祖から引き継いだ土地は斜面があり小石が混ざっていて、決して良質のものとは言えないが、それでも従来培ってきた、この畑に適した作物の知識や栽培技術を駆使して四季折々のものを作りながら、大切に維持管理してきたと聞く。

集落における諸々の習わしは高齢化、少子化に伴い、だんだん省略せざるを得ないようだ。しかし、祭りだけはなんとか続けたいという共同体の心が強く、仕事をやりくりして祭りのために力を尽くしている。

町に住む親せきや友人が手伝いに来て、集落あげての大騒ぎとなる。ここにはそれしか楽しみがないのかと思うくらい生き生きしていて、見ていても楽しい。

スピードが価値観の基準になる現代社会にあって、「自然と共に生きる」ということは決して容易なことではないであろう。あえてその生き方を選ぶということは、多くの欲望を超越した豪快で清々しい何かが、 そこにあるのであろう。

秩父市内で働く私にとっては、この地の人たちの価値観を知ることは、自分の人生に「豊かさとは何か」 を教えてくれる大切なことであるように思える。これからも、秩父での暮らしを通して、「心の豊かさ」を 写真に残していきたいと思う。

出展作品数:約40 点

写真展情報

会場

オリンパスギャラリー東京
東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル地下1階

開催期間

2018年8月31日(金)~9月5日(水)

開催時間

11時~19時(最終日は15時)

休館

木曜日

作者プロフィール

1942年:埼玉県生まれ
2002年:退職を機に地元の写真クラブ「KPC」に入会
2005年:写真展「Being -自己回帰線」 コダック
2008年:写真展「秩父-自然とともに生きる人々」 ニコンbis
2009年:写真展「此岸-信仰の里 秩父」 ペンタックス
2010年:写真展「山間の暮し-秩父絹の道」 コニカミノルタ
2012年:写真展「東京という島」 オリンパス
2012年:写真展「ハレの日-秩父路だより」 コニカミノルタ
2015年:写真展「浮遊」 リコー
2018年:写真展「秩父路」 オリンパス
現在:日本写真作家協会(JPA)会員