イベントレポート

プロのライティングを間近で体験/ライブシューティングイベント「CO-CREATE Vol.3」が開催

若手フォトグラファー5名がお題に応じたセッティング・撮影に挑戦

プロフォトグラファー主催のライブシューティングイベント「CO-CREATE Vol.3」が5月31日(土)に開催された。会場は渋谷サクラステージ内の404 Not Found。

プロが撮影する現場を間近で見られる趣旨の有料イベント。ライティングへの興味喚起を促すとともに、来場者と出演者、カメラマンやアシスタントの交流も目的としている。不定期イベントとして開催しているもので、過去2回はスタジオを借りていたが、今回はイベントスペースに会場を移しての開催となった。出演者はYou Ishiiさん、松林真幸さん、須田卓馬さん、福井麻衣子さん、稲澤朝博さんの5名。

撮影のテーマは“抽選で決定”

イベントの主な内容は、各フォトグラファーに割り当てられた撮影テーマについて、ライティング環境の組み立てから撮影、来場者からの質疑応答までを1セットとしてこなすというもの。持ち時間は1人1時間。撮影順とテーマは当日抽選で決定した。モデル2名にヘアメイクのRYOさん、スタイリストの金野春奈さんも参加しており、各テーマに沿った衣装やメイクをフォトグラファーと相談しつつ仕上げるという形だった。

抽選の結果、Ishiiさんには「冬」、須田さんには「パッキリ」、稲澤さんには「春」、福井さんには「夏」、松林さんには「陰影」のテーマがそれぞれ割り当てられた。

「冬」をテーマにライティングを作ったYou Ishiiさん
須田卓馬さんは「パッキリ」としたライティングがテーマ
「春」をテーマに透過光も利用した稲澤朝博さん
銀色の素材も使って「夏」の日差しを表現した福井麻衣子さん
松林真幸さんは背景を暗く落として「陰影」を表現した

またイベントの最後には、抽選で選ばれなかったものの来場者から人気のあったテーマ「サイバーパンク」に5人で取り組む場面もあり、計6パターンのテーマについて、ライティング設計やモデルとのコミュニケーションの様子を観察できた。

テーマ「サイバーパンク」ではNanliteの「PavoTube」が活躍

テザーも用意しており、撮影した写真は会場備え付けの大画面モニターでリアルタイムに見ることもできた。

会場の様子
フォトグラファーごとの撮影テーマは当日の抽選で決めた
決まったテーマに沿ってその場でライティング設計を組み立てていく
セコニックのカラーメーターも活躍
来場者からスタンドイン(準備段階の代理モデル)を募ってライティングのテストをしているところ
動画でメモを残す人も
照明機材の協力に銀一が入っており、出演者としても使ってみたかった機材を使える良い機会になったという
出演者が撮影している様子を間近に見ることができた
会場備え付けのモニターに映し出されたテザーの写真を解説する場面も
ヘアメイクやスタイリストも重要な役割をもって参加

プロの設営・撮影自体がイベントに

松林さんによれば、CO-CREATEは実践的な勉強会ではあるが、まずはライティングに興味を持ってもらうのが1番大事ということで、一方的に説明や解説を聞くだけのセミナーではないとの説明があった。そのため来場者はセッティングの様子を近くで見たり、タイミングをみて質問したりと自由な雰囲気もありつつ、来場者の半数近くがプロカメラマンということで、適度に距離感と緊張感のある環境だった。

会場はスタジオではなく一般的なイベントスペースということで設備面、空間面での制約もあり、試行錯誤の見えるセッティングの模様も生々しく、組み立て途中のセッティングに近づいてスマホで写真を撮ったり、出演者の説明をノートにメモしている姿も多く見られたほか、来場したプロカメラマンからは「ほかのカメラマンがライティングを組み立てている姿を見る機会は少ないので、勉強になったし刺激を受けた」との声も聞かれた。

本イベントには銀一、セコニック、富士フイルムが機材協力しており、富士フイルムからは中判カメラの「GFX 100 II」と「GFX 100S II」、銀一からはDedolight、Nanlite、Profoto、SMDVのライティング機材、セコニックからは露出計とカラーメーターがそれぞれ貸し出されていた。

出演フォトグラファーが普段使っている愛機
富士フイルムは「GFX 100 II」「GFX 100S II」を機材協力
銀一はDedolight、Nanlite、Profoto、SMDVから大量のライティング機材を持ち込んだ
セコニックはカラーメーターと露出計で機材協力
出展記念にノベルティを配布していた
関根慎一