東証、オリンパス株の上場維持を決定

~「特設注意市場銘柄」に移行。違約金1,000万円の支払い求める

 東京証券取引所は20日、「管理銘柄(審査中)」に指定していたオリンパス株について「特設注意市場銘柄」に指定した上で上場を維持することを明らかにした。これに伴い、21日に管理銘柄(審査中)指定を解除する。

 東証は、一連の損失隠し問題は組織的関与が認められるものの、発端となった損失の発生やその後の隠匿行為は一部の関与者によるものと認識。加えて、虚偽記載の影響が財務諸表へ長期間及んでいたが、本業の経営成績から見て市場の評価を著しく歪めたとまでは認められなかったとして、上場維持の判断を下した。

 ただ、オリンパスの内部管理体制については改善が必要だとして、特設注意市場銘柄に指定した。同銘柄に指定されると、内部管理体制の状況などを報告する「内部管理体制確認書」の提出が義務づけられる。指定日から3年を経過して内部管理体制などに問題がある場合は上場廃止となる。

 一方、東証に対する投資家からの信頼を損なったとして、オリンパスには違約金1,000万円の支払いを求める。





(本誌:武石修)

2012/1/20 19:39