上坂怜夫写真展「My Generation」(大阪ニコンサロン)



70年代後半に生まれた作者の世代は、幼い頃から様々なものがアナログからデジタルへと変遷してゆく時代を過ごしてきた。
写真もその一つ、フィルムが減少し、デジタルカメラやカメラ付携帯電話が普及し、以前にも増して写真がより身近な存在になってきている。その中で写真といわれて、何を思い浮かべるのか、写真の概念は世代によって徐々に変化してきている。
作品は全てフィルムカメラを使って撮影した写真に、iphoneのアプリInstagramのフィルタを被せたものだが、作者はこの手法を試す中、時代が先へと進んでいくことに少し違和感や寂しさを感じている自分と、フィルムで写した写真がInstagramで大きくフォーカスが崩れ、色味も想像を超えて激しく変っていくところを、どこか楽しんでいる自分とが共存していることに気づいた。
ただ一つ変わらないことは、私たちの心の中にはいつも「今」しかないということだ。限りない今の積み重ねが1時間、1日、1年と積み重なっていく。写真がその限りない数の今を残してくれていること、これはどの世代も変わりはない。この写真が今後10年、20年経ったときにどう映るのか。いつか過ぎ去った今を思い出したとき、そのいつかの未来は「今」の写し方が変っているのだろうか。カラー40点。(写真展情報より)

  • 名称:上坂怜夫写真展「My Generation」
  • 会場:大阪ニコンサロン
  • 住所:大阪府大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • 会期:2011年11月24日〜2011年11月30日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休


(本誌:折本幸治)

2011/11/9 00:00