「CEATEC JAPAN 2010」で見かけたデジカメ関連展示

〜パナソニックが「LUMIX Phone」を開発発表

  IT・エレクトロニクス総合機器展「CEATEC JAPAN 2010」が5日、千葉県の幕張メッセで開幕した。会期は10月9日まで。開催時間は10時から17時。入場料は一般1,000円、学生500円。事前登録者および9日は無料で入場できる。

 開催テーマは「Digital Harmony - もっと快適に、もっとエコに」。出展者数と小間数は616社/団体、2,255小間で2009年を上回るという。2009年の来場者数は15万302人で、2010年は20万人を見込む。

 本誌では、デジタルカメラ関連の展示についてレポートする。

会場は幕張メッセの1〜8ホール

「LUMIX Phone」を参考出品したパナソニック

 10月1日に開発発表した携帯電話「LUMIX Phone」を展示。ケース内の展示で手に取ることはできなかったが、4色の端末モックアップと従来機種(NTTドコモP-04B)との比較作例を展示していた。同モックアップはNTTドコモのブースにも設置していた。

 LUMIX Phoneは、1,320万画素の撮像素子や高輝度フラッシュを採用。デジタルカメラLUMIXシリーズ譲りの操作性をアピールしていた。BluetoothおよびWi-Fi(802.11b/g)も搭載する。HDDレコーダー「ディーガ」のリモコン操作でLUMIX Phone内の写真を3D対応テレビ「ビエラ」に表示するといったことも可能なようだ。

3DビエラをアピールしていたパナソニックブースLUMIX Phone
4色を展示していた側面に「iA」のマーク

 デジタルカメラのLUMIXコーナーではレンズ交換式デジタルカメラ「LUMIX DMC-GH2」と3Dレンズ「LUMIX G 12.5mm F12」の組み合わせをメインに展示。発売前の交換レンズ「LUMIX G 14mm F2.5 ASPH.」「LUMIX G VARIO 100-300mm F4-5.6 MEGA O.I.S.」もガラスケース内に展示し、頼めば手に取って試すことができた。

DMC-GH2にLUMIX G 14mm F2.5 ASPH.を装着したところLUMIX G VARIO 100-300mm F4-5.6 MEGA O.I.S.をDMC-GH2に装着
LUMIX G 12.5mm F12を装着したDMC-GH2

「TransferJet対応SDメモリーカード」を2011年発売

 TransferJetコンソーシアムのブースでは、2011年Q3に発売するTransferJet対応のSDメモリーカードを参考展示。ブースの説明員によると「2011年のCEATECには対応するデジタルカメラが並ぶのでは」とのことだった。ソニー製のTransferJet対応メモリースティックデュオと同様に、利用時にはデバイス側(デジタルカメラなど)も対応機種を選ぶ必要があるそうだ。

 また、東芝では並行して無線LAN対応のSDメモリーカードも開発を行なっており、将来的にはTransferJetと無線LANのハイブリッドで「(無線LANの転送が)遅いと思ったら端末を近づける(TransferJetを利用する)」といった使い方もできるようにしたいという。

TransferJetコンソーシアムのブースTransferJet対応SDメモリーカード

SDアソシエーションはSDXC対応機器を多数展示

 SDXCメモリーカードおよび高速バス規格「UHS-I」に対応する製品をメインに展示していた。併せて、300MB/秒を目標とする「次世代UHS SDカード」についても概要をパネルで展示。カード自体のサイズや形状に変更はなく、2列目にピンを追加することで高速化を図るという。2011年早々の規格策定を目指す。

SDアソシエーションのブースSDXCメモリーカードの対応機器が一同に並ぶ
UHS-I対応のExpressCardアダプターUSB3.0対応のUSBカードリーダーも展示

モバイル向け3Dサービスを参考出展したNTTドコモ

 モバイル向けサービスとして「撮る3D」を参考出展していた。2眼式カメラもしくは視差の分をずらして通常のカメラで撮影した画像を送信すると、視差調整や画素補完を行ない、多視点の画像を生成。携帯電話の端末でを左右に傾けることで、ジャイロセンサーを利用した疑似立体表示を楽しめるというもの。3D対応ディスプレイであれば、立体表示もできる。

撮る3Dの再生デモ。操作感はソニーのサイバーショットが搭載する3D機能「スイングマルチアングル」に近いものだった

シャープのAQUOSが3Dデジカメに対応

 3D対応の液晶テレビ「AQUOSクアトロン3D」に、富士フイルムの2眼式コンパクトデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W3」で撮影した画像を表示するデモを行なっていた。3D画像の転送は高速赤外線通信を利用し、ワイヤレスで行なう。

 また、AQUOS向けのインターネットサービスとして「3D写真インターネット共有サービスby Yahoo! JAPAN」のコンセプトデモも参考出展していた。撮影した3D画像をサーバーにアップロードし、離れた家族や友達と共有できるというもの。対応カメラはFinePix REAL 3D W3。3D写真作品の配信も行なうという。

AQUOSクアトロン3Dに3D写真を表示するデモ高速赤外線通信で3D画像をテレビに送信

巨大3Dスクリーンを展示したソニー

 ソニーブースでは、幅21.7mの巨大3Dディスプレイを「技術参考展示」としてステージ上のメインスクリーンに利用。3Dを軸としたブース展開の中に、「3D写真管理・鑑賞技術」としてデジタルカメラ関連の展示を行なっていた。展示していたのは、パノラマ撮影機能「3Dスイングパノラマ」や、3D対応ノートPC「VAIO」、PS3用の画像管理ソフト「プレイメモリーズ」など。

ステージに巨大3Dスクリーンを設置3Dスイングパノラマの撮影体験として、ブース来場者をスクリーンに写しているところ

携帯電話で光学式手ブレ補正を実現するミツミ電機

 参考出品の携帯電話向け「オプティカルイメージスタビライザ」は、従来の「カメラチルト方式」の限界を超えるという「レンズバレルシフト方式」を採用。約4mmの低背化を実現し、従来のAF単機能カメラモジュールと同等の高さを実現した。これにより、携帯電話などの小型機器でも光学式手ブレ補正機構を利用できるようになるという。2011年末の商品化を予定する。

 また、業界最小というアンテナ一体型のGPSモジュールも展示していた。超小型パッチアンテナとの一体構造を採用。デジタルカメラおよびデジタルビデオ用とし、パナソニックのコンパクトデジタルカメラ「LUMIX DMC-TZ10」をサンプルとして置いていた。金属筐体のポータブル機器にも搭載可能な点を特徴とする。

アンテナ一体型のGPSモジュール搭載例。モジュールのサイズは12×14×4mmレンズバレルシフト方式を採用する携帯電話向けのオプティカルイメージスタビライザ。サイズは12.5×12.5×5.22mm

エプソントヨコムの手ブレ検知センサーは「AR.Drone」にも採用

 ジャイロセンサーなどの水晶デバイスを扱う同社は、iPhoneで操縦する4翼ヘリコプター「AR.Drone」(仏Parrot社製、9月16日発売)をジャイロセンサーの採用例としてブースに展示。AR.Droneではメイン基板にエプソントヨコムのジャイロセンサー「XV-3500CB」を搭載し、姿勢制御に利用しているという。XV-3500CBは、デジタルカメラの手ブレ検知に利用されているものと同タイプの製品。

AR.Drone紹介ビデオを上映
AR.Droneやデジタルカメラが手ブレ検知に採用するものと同種のジャイロセンサー

HDRビデオカメラを展示したエプソン

 露光時間の異なる複数の映像情報を同時に読み取ることで120dBのダイナミックレンジを実現するという「HDRイメージセンサーチップセット」を展示。評価ボードを2010年7月に発売している。1秒間に120枚の画像を処理し、VGAサイズ・30fpsで出力。逆光でも確実な撮影が可能とし、車載カメラや監視カメラなどに向ける。

通常のCCDカメラとHDRイメージセンサーチップセットの比較映像


(本誌:鈴木誠)

2010/10/5 20:57