キヤノン、延期していた「長崎キヤノン」でデジタルカメラを初出荷

~市況の回復により操業を前倒し

 キヤノンのデジタルカメラ生産子会社「長崎キヤノン」が17日、製品の初出荷を迎えた。

 操業開始は当初4月を予定していたが、デジタルカメラ市況の回復を受けて1カ月前倒しした。長崎キヤノンで初出荷となった機種は、コンパクトデジタルカメラ「PowerShot G11」。この日、同モデル4,800台を出荷した。

長崎キヤノンPowerShot G11

 長崎キヤノンは、同じくキヤノンの生産子会社「大分キヤノン」と並ぶデジタルカメラ生産の重要拠点。工場は2月16日に完成し、3月1日から生産を始めていた。所在地は、長崎県東彼杵郡波佐見町の波佐見工業団地。

 長崎キヤノンでは2010年に200万台、2011年には400万台の生産を行なう。当初はデジタル一眼レフカメラ1機種と、コンパクトデジタルカメラ3機種の生産を担当する。現在の従業員は約500人だが、4月には293人の新入社員を加えて約850人体勢になる。地理的に近い大分キヤノンとも各方面で協力し、相乗効果も狙う。

 キヤノンにおける2009年のデジタルカメラ生産実績は、デジタル一眼レフカメラが約440万台でコンパクトデジタルカメラが約1,970万台だった。2010年はそれぞれ470万台、2,100万台への引き上げを明らかにしている。

 長崎キヤノンの設立を発表したのは2008年7月で、2009年1月に着工し2009年12月の操業開始を予定していた。しかし、2008年秋からの世界不況による市場の落ち込みを受けて2008年12月には着工延期を決定。その後の2009年6月に、デジタル一眼レフカメラの需要が回復傾向にあるとして2009年7月の再着工を発表。操業開始を2010年4月としていた。




(本誌:武石修)

2010/3/18 14:59