ニコン、第3四半期はデジカメが回復。通期予想を上方修正


 ニコンは4日、2009年度第3四半期(2009年4月1日~12月31日)の連結業績を発表した。売上高は5,914億9,000万円(前年同期比15.6%減)、営業損失は161億4,300万円(前年同期は548億4,400万円の黒字)、純損失は176億4,800万円(前年同期は312億8,300万円の黒字)。精機事業およびインストルメンツ事業の一部市場に回復の兆しが見られたものの、引き続き設備投資抑制の影響を受けた。映像事業は個人消費低迷や円高の影響のなか堅調に推移した。

 デジタルカメラを含む映像事業の売上高は4,501億300万円(前年同期比9.1%減、以下同)、営業利益は439億5,100万円(4.5%減)。第3四半期に出荷が前年比で回復を示し、デジタル一眼レフカメラ、コンパクトデジタルカメラともに販売台数が前年同期を上回った。出荷台数は、デジタル一眼レフカメラが285万台(2.5%増)、交換レンズが420万台(6.3%増)、コンパクトデジタルカメラが922万台(8.1%増)。

 精機事業は売上高971億8,100万円(39.6%減)、営業損失532億3,700万円(前年同期は86億1,300万円の黒字)。販売は予定通りとなった。半導体露光装置分野において最先端のArF液浸露光装置を中心に開発・拡販を行ない、液晶露光装置分野においては中国市場参入に向けての取り組みを開始した。

 インストルメンツ事業は売上高295億9,200万円(14.5%減)、営業損失82億6,900万円(450.4%増)。バイオサイエンス事業は引き続き堅調に推移すると予測するものの、産業機器事業は市況回復に時間がかかるものと予想する。

 その他の事業は売上高146億1,200万円(3%増)、営業利益13億3,700万円(43.5%減)だった。

 また、2009年度の連結業績見通しを上方修正した。2009年11月5日の予想から売上高を1.3%増の7,700億円に、営業損失を11.1%減の160億円に、純損失を19%減の170億円に改めた。為替相場や市場環境の動向に不透明感が残るものの、引き続き順調に推移すると見込む。デジタルカメラの出荷台数は2009年11月5日の予想値から変わりはない。



(本誌:鈴木誠)

2010/2/4 18:33