キヤノン、延期していた「長崎キヤノン」の着工決定


 キヤノンは5日、着工を延期していたデジタルカメラの生産子会社「長崎キヤノン」について、7月に着工すると発表した。2010年4月の操業開始を目指す。

 2008年7月の発表当初、長崎キヤノンを2009年1月に着工(2009年12月操業開始)するとしていたが、2008年秋からの世界同時不況による急激な需要減を受け、着工を延期していた。今回、デジタル一眼レフカメラ市場が堅調に推移し、今後も確実な成長が期待できると判断。中長期的にデジタルカメラの生産配分を検討し、着工を決定した。大分キヤノンと併せて、デジタルカメラ生産の重要拠点と位置づける。

 当初、長崎キヤノンでは高性能コンパクトデジタルカメラを当面手がけるとしていたが、新たに、デジタル一眼レフカメラも操業開始から生産を行なうことが決まった。段階的に生産能力を引き上げ、最終的にコンパクトデジタルカメラとデジタル一眼レフカメラを合わせて、年間400万台を生産する。

 今回の決定では総延べ床面積4万1,700平方mのうち、第一期分として3万7,400平方mを建設する。総投資額は174億円で、うち第一期分は144億円。なお、第2期以降の計画は未定としている。

 長崎キヤノンの所在地は、長崎県東彼杵郡波佐見町の波佐見工業団地。従業員は1,000人以上としている。



(本誌:武石修)

2009/6/5 15:59