土屋友幸写真展「COMMONAGE」(新宿ニコンサロン)




ニューヨークシティ(NYC)に昔から住んでいる人達に言わせると、「ニューヨークはアメリカでは無い」らしい。もちろんジョークだが、それほど住んでいる人自身が、この街がいかに独特かという事を自覚していて、誇らしく想っているかが伺える。

合衆国最大の都市にして世界の経済、金融の中心。世界中から様々な文化が集まり、流行や新しい文化が生まれている。それを聞いただけでも沢山の人々を惹きつける街だということは想像できるだろう。

そう、世界中の人々がこの街を目指してやってくる。

公式発表によると、NYC総人口の約30%が移民で、2000年以降にNYCで生まれた子供の10人中6人は両親の少なくとも一方が外国生まれだという。

2007年に、作者は興味深いランキングリストに出会った。移民の出身国ランキングで、NYCとアメリカ全土のランキングが、かなり違うのだ。これは「NYCの特異さ」を作者自身の方法で解き明かす為の糸口になるのではないかと思った。

「統計」というマクロから、NYCを構成している人々、「家族」というミクロへ。移民家族、12カ国12家族の肖像。

国境を越えて生きていくという事、世界の人々が共存するという事を考える時、祖国を離れ、NYCで逞しく生きている移民の人々の姿は、これから自分たちが生きていく世界のヒントになるだろう。カラー40点。

(写真展情報より)


  • 名称:土屋友幸写真展「COMMONAGE」
  • 会場:新宿ニコンサロン
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
  • 会期:2012年11月6日〜2012年11月19日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:折本幸治)

2012/10/22 13:27