小沢辰夫写真展「文明の相貌」(オリンパスギャラリー東京)




人類は文明を手にしてから繁栄を極めた。この地球の歴史から見るとわずか数千年という短い期間で、地球の隅々まで生活の場を広げ、人口はなお増え続けている。自然が豊かであった時代はさほど自然環境との調和というものを強く意識せず、文明の発展を願いその恩恵に浴してきた。現在も科学や医療は急速に発展し、とどまるところを感じさせない。しかし、限られた地球の中で人類だけが本当に繁栄し続けられるものであろうか。この都市の人工物の風景は、人間の輝かしい光と影を如実に言い現しているように思えてならない。これは自然に対して人類が挑戦した人工風景の極致である。鋭い直線、優美な曲線、輝く白、漆黒の闇、あらゆるものを包含した現代の街の風景は、強烈な意思と底知れぬ冷徹な問いを我々に投げかけている。文明とは如何なるものか。

出展作品数:モノクロ約40点

(写真展情報より)


  • 名称:小沢辰夫写真展「文明の相貌」
  • 会場:オリンパスギャラリー東京(オリンパスプラザ東京内)
  • 住所:東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル1F・2F
  • 会期:2012年10月4日〜2012年10月10日
  • 時間:10時〜18時(最終日15時まで)
  • 休館:日曜・祝日

(本誌:折本幸治)

2012/9/20 00:00