芦沢武仁写真展「マラムレシュ 家の記憶」(銀座ニコンサロン)


作者は2006年に初めてルーマニアのマラムレシュ地方を旅した。その時垣間見た村の生活風景に興味が湧き、その後3回にわたってマラムレシュを訪れ、おもに古い家を探してその家と住む人を撮影した。重厚な外観と凝った内装に惹かれ、とりわけピンクやグリーン、ブルーに塗られた独創的な壁の色に魅せられた。

町で英語を話すタクシードライバーを、通訳を兼ねて雇い、タクシーで村々を回った。田園風景の続く山間の道沿いに点在する村々。そこに残る古くて趣のある家や手の込んだ造りの家を探した。気に入った家があれば、ドアをノックして撮影を求めた。突然の外国人の訪問にもかかわらず、ほとんどの人が撮影に応じてくれた。

近年マラムレシュにも、外資系の大型スーパーが、数軒出店した。グローバル化の波が凄い速さで押し寄せている。伝統的な生活を維持する人は高齢者が多い。急激なグローバル化は、すぐにこの地域の個性的な生活も変えてしまうだろう。そうなる前にと作者は、貴重な写真を撮る思いで撮影を続けた。カラー65点。

(写真展情報より)

  • 名称:芦沢武仁写真展「マラムレシュ 家の記憶」
  • 会場:銀座ニコンサロン
  • 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • 開催日:2012年9月26日~2012年10月9日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:武石修)

2012/9/10 00:00