角田浩写真展「大峰 深山幽谷の世界」(オリンパスギャラリー大阪)


(c)角田浩

いまから18年前、秋晴れの空の下、南北に横たわる長大な稜線を大台ヶ原の大蛇嵓から眺めたことが、大峰を意識するきっかけとなりました。それ以来、無雪期の登山から冬山へと進み、沢登りの世界にも魅せられ、やがて険谷へと足を踏み入れるようになりました。そうした大峰通いの初めから、カメラは常に私のパートナーであり、この山域のもつ良さを写真で表現したいと思うようになりました。しかし、実際に取り組んでみると、地味な山容の山が多く、2000mに満たない標高のため劇的な自然条件には恵まれにくく、作品とよべるものはなかなか撮れませんでした。しかし通い続ける内に、この山域に合った被写体や、撮影に適した場所や時間帯が分かるようになり、納得のいく写真も少しずつ撮れるようになりました。副題とした深山幽谷は、勿論大峰だけにあてはまるものではありませんが、大峰もまた、日本の山の特色である四季の表情豊かな深山幽谷であることに間違いはありません。もとより刻一刻と生成する自然の営みを、あまねくとらえることは不可能であり、人はその中のほんのわずかな出会いに一喜一憂するしかありません。しかし、私の心を震わせた山河の光景を通して、ご高覧いただいた方々に大峰の良さを少しでも伝えることができるとすれば、私にとって喜び以外のなにものでもありません。

出展作品数:カラー 約32点
(写真展情報より引用)

  • 名称:角田浩写真展「大峰 深山幽谷の世界」
  • 会場:オリンパスギャラリー大阪
  • 住所:大阪市西区阿波座1-6-1 MID西本町ビル
  • 会期:2012年8月2日〜2012年8月8日
  • 時間:10時〜18時(最終日は15まで)
  • 休館:日曜・祝日

(本誌:鈴木誠)

2012/7/18 13:34