小栁宣昭写真展「中津 -高架下風景-」(ニコンサロンbis新宿)



「中津」と聞くと、ほとんどの人が大分県中津市を思い浮かべるだろうが、大阪にも「中津」という地名がある。そこは大阪の梅田と十三の間に位置する小さな町で、本展の作品は、そこを通る国道176号線と阪急電鉄の高架下風景を撮影したものである。
撮影を始めたのは2007年。きっかけは夕方の報道番組で放映された近ごろ中津が活気あるとの情報が始まりだった。ところが実際にそこへ行ってみると、人のいない商店街などがあるだけで、どこに活気があるのだろうと思う寂しい街の印象をもった。
しばらく歩くと高架下にたどり着いた。そこには不思議な世界が広がっていた。昼でも薄暗く、時間の感覚を失い、いつの時代かさえも迷ってしまうほどだ。どこまでも続く高架下なのに縦横に走る道路。不気味に光るナトリウム光。それからは、飽きもせず撮り続ける、作者にとって特別な場所となった。
少しずつ、中津高架下は変化している。しかし、作者が初めてそこに足を踏み入れた時の驚きは少しも変わらず、訪れるたびに新鮮な気持になれる空間だという。モノクロ40点。(写真展情報より)

  • 名称:小栁宣昭写真展「中津 -高架下風景-」
  • 会場:ニコンサロンbis新宿
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
  • 会期:2012年7月10日〜2012年7月16日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休



(本誌:鈴木誠)

2012/6/25 12:13