伊ヶ崎忍写真展「INAYA TOL」(銀座ニコンサロン)



カトマンズにある王宮裏を流れるビシュヌマティ川沿いには地図にも載らないほど小さなイナヤ通りと言われる場所がある。そこはネパールの原住民族とされているネワール族たちの中でも非差別階級に属するカサイといわれる人たちの水牛の屠場が密集した地域である。イナヤとは「屠(ほふ)る人」の意味がある。そんなイナヤ通りで繰り広げられる日常を通して、生きることやこの国の姿を見つめ続けたのがこの作品である。

「人は生きものを食べる」その本能には何者も抗えない。人が存在している以上、生きものを屠ることは未来永劫消滅することは無い。それは、国や民族や階級、宗教の違いを軽々と超える普遍性だ。屠場とは、『生』を感じることの出来る場所の一つなのだ。

カラー約25点・モノクロ約25点

(写真展情報より)

  • 名称:伊ヶ崎忍写真展「INAYA TOL」
  • 会場:銀座ニコンサロン
  • 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA(ストラータギンザ)1階・2階「ニコンプラザ銀座内」
  • 会期:2012年7月4日〜2012年7月17日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:折本幸治)

2012/6/19 12:49