近藤一弘写真展「八王子ニューランド21」(ニコンサロンbis新宿)



山を削り、地面をならし、道路をはりめぐらし、真新しい家が建ち並び、古い地図には存在しない新たなまちが現れる。世紀をまたぐ時期から、10年ほど住んでいた東京郊外の自宅から車で少し走ると、八王子みなみ野シティや多摩ニュータウン八王子市域の造成地があり、変容の過程を観察することができた。
土がむき出しのまま整形された広い地面は、古代文明への連想を誘う。増殖を始めた真新しい家並みは、異様にきれいなゴーストタウンのようでもあるが、やがて移住してくる人々によって生活感が漂いはじめる。
現実社会とは異なる時間軸に存在する別世界へ迷い込んでしまったかのような錯覚に陥る。そこは作者にとって好奇心を刺激するテーマパークのようだ。訪れるたびに変貌する景観に興味は尽きない。作者は好んで迷い込み、錯覚を受け入れる。カラー24点。(写真展情報より)

  • 名称:近藤一弘写真展「八王子ニューランド21」
  • 会場:ニコンサロンbis新宿
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
  • 会期:2012年5月1日〜2012年5月7日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:折本幸治)

2012/4/17 00:00