大坪晶写真展「Shadow in the Mirror」(ニコンサロンbis大阪)



ホテルの鏡の中の影を撮影した作品である。
ホテルは毎日滞在者が入れ替わる場所だ。今日鏡を見つめた人は、明日は別の誰かに入れ替わっている。鏡は日々滞在者を目撃しているのではないか、そして、個々の人の情報ではなく、情動を記憶しているのではないかと作者は考えた。
ホテルに滞在する人は、様々な想いを抱き、その想いは誰にも話す事なく失われてゆく。失われた情動の痕跡を鏡が目撃しているとすれば、どのような形になるのかを考えながら制作した。
鏡は、太古の昔よりたましいを映し出すと考えられてきた。鏡の語源は影見であり、影は霊魂の現れであると考えられていた。
無機質な部屋であるホテルの中で、鏡は有機的な存在として、能動的に人間を見ているのではないだろうか。
本展では、鏡の中の気配と痕跡を現すことによって、人間の意識と情動について鑑賞者に提示したいと考えている。カラー16点。(写真展情報より)

  • 名称:大坪晶写真展「Shadow in the Mirror」
  • 会場:ニコンサロンbis大阪
  • 住所:大阪府大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • 会期:2012年4月19日〜2012年4月25日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:折本幸治)

2012/4/2 17:02