保坂昇寿写真展「BURNING CHROME(クローム襲撃)」(Gallery TANTOTEMPO)



BURNING CHROME(クローム襲撃)とは、アメリカのSF作家、ウィリアム・ギブソンの短編小説の題名である。ここでは、ハードウェアの専門家とソフトウェアの専門家が組んで金儲けのために他人のシステムにハッキングをしかける近未来のストーリーが展開される。物語は一人の少女の登場により、一方のハッカーが少女のためにヒーローとなることを決め、Chromeという悪名高い犯罪システムに侵入、攻撃を仕掛け、もう一人もそれを手伝う、というものだ。

保坂昇寿は、東京の繁華街の風景をHDR(High Dymnamic Range)という手法にて撮影する写真家だ。HDRという手法そのものは最近のデジタルカメラに普通に装備されるアートフィルターとなりつつあるが、保坂のHDR写真は新宿など人々が集まる夜景を撮影することで、近未来の日本の都市、というような未知なる構造を生み出している。そのイメージは非常に精細な絵画のようで、動きのあるものはぬめるような美しい造形をみせる。そこに うつる都市はまばゆい光に包まれる非常に美しい都市構造であり、そこにうごめく人々をHDRゆえの“ゴースト”として写しており、独特の世界観の表現となっている。保坂は、特に海外の写真レビューなどで高い評価を得ており、本シリーズのTANTOTEMPOでの個展は2010年末の若手写真家のグループ展、TANTOTEMPO pure展参加から派生した日本初のフル規格の個展として企画されている。

TANTOTEMPOでは保坂昇寿のBURNING CHROME(クローム襲撃)のシリーズから約31点を展示、販売します。

(写真展情報より)

 4月7日16時からギャラリートークを開催する予定。

  • 名称:BURNING CHROME(クローム襲撃)
  • 会場:GALLERY TANTOTEMPO
  • 住所:神戸市中央区栄町通2-1-3 謙昌ビル3F
  • 会期:2012年3月10日〜2012年4月8日
  • 時間:11時30分〜19時
  • 休館:水曜日・祝日

(本誌:折本幸治)

2012/3/12 18:31