タカオカ邦彦写真展「icons-時代の肖像」(町田市民文学館)


私たちが肖像写真に魅了されるのはなぜなのだろう。それは、人間の顔には魅力があり、肖像写真はその内面を端的に写し出すからだ。しかし、同時に人間は顔を巧みに使い自らを覆い隠し、そのイメージをつくり出す。写し出された顔には謎も多く、それもまた偽らざる魅力である。とりわけ独自の個性を持つ作家・芸術家たちの肖像は、彼らの感性や美意識を表現する手段であり、ある種の雰囲気を纏っている。そうした被写体に出会い撮影することは写真家の創造意欲を大いに刺激するものである。
人物写真家・タカオカ邦彦にとって、写真は「被写体との出会い方」の凝縮された表象である。「icons - 時代の肖像」と名付けられた本展は、タカオカが30年以上の写真家生活の中で出会った作家・文筆家など90人の肖像を集めた写真展である。この中で被写体は、時代の偶像―すなわち「icon」としてたち現れる。ある作家は無意識にカメラの前に立ち、ある作家は自らの想いやイメージを表現する。その写真を通して、私たちは作家たちが語りかけるもうひとつの「物語」を感じ取ることができるだろう。
(写真展情報より)

 会期中には関連イベントも実施。詳細は写真展情報のページを確認されたい。

  • 名称:タカオカ邦彦写真展「icons-時代の肖像」
  • 会場:町田市民文学館ことばらんど
  • 住所:東京都町田市原町田4-16-17
  • 会期:2012年1月14日~2012年3月25日
  • 時間:10時~17時(金曜日は20時まで)
  • 休館:月曜・第2木曜

(本誌:鈴木誠)

2012/1/11 19:40