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約4年ぶりにメジャーバージョンアップした天体画像処理ソフト「ステライメージ10」

インターフェースも刷新 ノイズ処理に「ピクセルマッピング」など追加

株式会社アストロアーツは、Windows用天体画像処理ソフト「ステライメージ10」を3月25日(火)に発売した。価格はパッケージ版が3万3,000円、ダウンロード版が2万9,700円。

デジタルカメラ、CMOSカメラ、CCDカメラなどのデジタル撮像機材で撮影した天体画像に対応する専用ソフトウェア。「天体の淡い光を最大限に生かす」という点において他のソフト一線を画す存在としている。

操作画面

約4年ぶりのバージョンアップとなる「ステライメージ10」では、画像処理機能の強化とユーザーインタフェースの改良が図られている。天体写真家・あぷらなーと氏の協力のもと、「ピクセルマッピング」「クールファイル補正」「コスミカット」「マイナスピクセル値保護」といったノイズ処理機能が搭載された。これらは従来煩雑で手間がかかったが、新バージョンでは非常にシンプルなインタフェースで実現しているという。

ピクセルマッピングとは、カメラのイメージセンサー上の異常なピクセル(ホットピクセルなど)を特定し、画像処理の際に無視または補間する技術。複数のダークフレームを解析して異常ピクセルを特定・除去することで、カメラの画質を向上させることができる。

ピクセルマッピングの効果検証

また星雲の淡い部分や分子雲などの特定の階調領域を強調する「ピンポイント・トーンカーブ調整」機能も新たに搭載され、微細な構造を簡単に浮かび上がらせることができるようになったという。

ピンポイント・トーンカーブ調整

処理の履歴を記録する「ヒストリー機能」も追加。処理の試行を繰り返しながら天体写真を仕上げることが可能になった。

ソフトウェアに内蔵された「操作ガイド」により、初心者でも天体画像処理の手順を学びながら使うことができる。

操作ガイド

従来はメニューやツールバーのボタンから機能を選択する必要があったが、新バージョンではタブ切り替え方式のリボンバーインタフェースを採用し、直感的な操作を実現している。また「クイックアクセスバー」と呼ばれるサイドウィンドウに「チャンネルパレット」「ヒストリー」「操作ガイド」を集約することで操作性も向上した。

本誌:佐藤拓