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“世界一黒い布”が開発テーマの「特級暗黒布 太黒門」…撮影時の黒背景や3Dスキャンのマスキングなどに

光陽オリエントジャパン株式会社は、静物写真やポートレート撮影の黒背景として使用できる「特級暗黒布 太黒門」についてリニューアルを実施し、一般向け販売を11月22日に販売を再開した。

販売は同社ECサイトのみとなり、販売価格はA4サイズが税込1,540円+送料(440円)。m単位の切り売りは、1mあたり税込8,800円+送料(1,980円)となる。

同社は、カメラメーカーを主要顧客として、微細立体構造による無反射の黒色素材を開発する企業。同製品は、世界一黒い水性塗料「黒色無双」に続くシリーズとして、「世界一黒い布」というテーマで開発したものとなる。

光学性能で選定されたパイル、特殊染料、樹脂、織り規格の組み合わせにより、入射した光のほとんどを内部で減衰させる針状構造により、可視光域の光吸収率が99.9%を達成。

撮影時の黒背景のほか、クロマキー撮影で用いられるグリーンバックの代替素材や3Dスキャンのマスキング用途など、産業分野からも注目を集めているという。

なお、2022年2月より販売していたが、生産能力を遥かに上回る注文を受け、2022年5月に国内での注文受付を停止。同時に、原糸工場の火災により、生産工程の大幅な見直しが必要となったという。

今回の販売再開に伴い、光吸収性能の維持と、織り機変更による生産能力の増強が図られているという。また、原反有効幅を900mmから1,100mmへと拡大、ほつれ防止性能の改善と両面テープへの強固な接着性を確保するといった裏面の樹脂バックコーティングをリニューアルした。加えて、パイルの表面平滑性を向上し、外観のムラを改善している。

なお、安価タイプの同社製品「無反射植毛布」との混同が見られたことから、製品名称を「特級無反射植毛布 太黒門」から「特級暗黒布 太黒門」へと変更している。

同社では、同製品を体験ができる企画として、レンタルスタジオの提供を行っているハコスタジアム大阪 8階の黒クリエイティブエリアにて、「特級暗黒布 太黒門」を床と壁面に使用した特設ブースを11月14日よりオープンしている。

(c)2022 HACOSTA Inc.
(c)2022 HACOSTA Inc.
飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。