岡嶋和幸の「あとで買う」

794点目:馬だけが暮らす北辺の小さな島の物語

岡田敦『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

岡田敦『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』

岡田敦さんの作品で、北海道の根室半島沖に浮かぶユルリ島の存在、そして野生化した馬だけが暮らす無人島であることを知りました。上陸が厳しく制限されているなか、地元行政の協力を得て、10年以上にわたり撮り続けられています。本書は写真と文章で構成され、元島民や関係者のインタビューをもとに、島の歴史や残された馬のことなども紹介されています。いまも生きる馬たちの様子をとらえた写真は美しく見応えがあります。販売価格は2,970円です。

POPEYE Webでの連載「馬だけが暮らす島|ユルリ島のこと」など、岡田さんの写真と文章でこれまでもユルリ島についての情報を得ていましたが、240ページとボリュームもある本書でより深く知ることができるでしょう。布上製本など装丁にもこだわった1冊です。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。