12月号【いとうあこ + キヤノンEOS 7D】3週目
~単焦点レンズとズームレンズ


 3週目は上ブロック、左上と右下がISO100。右上ISO320、中央ISO200、左下ISO400と感度は結構バラバラだ。絞りF2.8~3.5、シャッタスピード1/160~1/200秒になるよう調整している。下ブロックは、右上と左下のみISO200、ほかはISO100。絞り3.4~4.5、シャッタースピードはすべて1/200秒。また、中央以外は純正のストロボ「580EX II」を使用した。この水着中央のカットを撮っているほんの数分間は、たまたま陽が出ていたものの、既に天気も曇天でストロボ中心にしている。

 この連載での撮影をJEPGからRAWに切り替えて随分経つが、基本的にカメラに同梱の現像ソフトを使い、他社の汎用的な現像ソフトや、同じメーカーでも有料の高性能版は使わないというスタンスで処理を行なっている。この条件の場合、キヤノンの「Digital Photo Professional」(DPP)は、各社が同梱している現像ソフトの中では一番多機能で完成度も高い。

 例えばピクチャースタイル(またはそれに該当する現像パラメータ)とは独立したトーンカーブ、比率を指定できるトリミングや痒いところに手が届くいろいろな機能、さらに画像修正用のスタンプツールまで実装済みだ。グラビアの世界ではレス(レスポンス)と言って、肌のシワやアザ、前に着た水着の痕などを修正するのが常識で、事務所側が色校の該当部分へ赤い印を付ける。直す部分が多過ぎて、色校が真っ赤っかになることもしばしば。

 そしてこのレスの作業にはスタンプツールが欠かせないのだが、先に挙げたように、同梱ソフトで現像するのが基本のため、レス無しで掲載している。しかしDPPはこの機能を持っているので、やる気になれば修正は可能。ただ、キヤノンだけ特別扱いはできない理由から、条件を合わせている。考えてみれば雑誌やネットにいろいろなグラビアが載っているものの、レス一切無しで、これだけの解像度の写真が載っているのはココだけだろう。ある意味貴重かも知れない。

 今週、上ブロックは「EF 24-70mm F2.8 L USM」、下ブロックは「EF 35mm F2」を使っている。撮影条件などが違うので、あくまでも私感でしかないのだが、やはり単焦点の方が写りはシャープだ。これは、パソコンの画面で等倍にして見るまでもなく、(気のせいかも知れないが)カメラの液晶モニターで見てもクッキリ感が違う。何となくハッキリしているのだ。

 さらに頭では分かっているものの、ズームレンズだとどうしても体を動かさず、ズームで寄ったり離れたりしてしまう。例えば上ブロックの右上のカット。掲載しているのは全身が写っているものだが、同じ位置から膝上、バストアップとズームレンズだけ動かして3パターン撮っている。よくない傾向だ。逆に単焦点レンズだとカメラマンが動かない限り、同じ絵になってしまうので、どんどん自分から寄ったり離れたりしている。普段筆者は単焦点レンズばかりを使っているので、ズームレンズでも動きそうなものなのだが、レンズ1本違うだけでそうならないのが不思議だ。

 最近(前からかも知れないが)、あこちゃんのブログでは彼女への質問コーナーが流行っている。グラビアをはじめたきっかけとか、好みのタイプとか、結構ぶっちゃけコメントが載っているので興味のある人は是非遊びに行って欲しい。(つづく)

actressいとうあこシャイニングウィル
photographer西川和久
EOS 7D
EF 24-70mm F2.8 L USM
EF 35mm F2



西川和久
(にしかわ かずひさ) 1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機器としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、dwango.jp(待受)のグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中!http://www.iwh12.jp/blog/

2009/12/18/ 00:00