7月号【渡辺万美 + キヤノンEOS Kiss X3】3週目
~高感度もいい感じ!


 3週目はISO100、ISO200、ISO400、そしてISO800と、シーンに応じていろいろな感度を使い分けている。レンズは全てEF 35mm F2一本だ。まず上ブロック、背景が黄色いカットは純正のストロボ「580EX II」を使ったいつものパターン。ISO100、F3.2、1/200秒となっている。

 上ブロックのバスルームに関してはすべてISO800。F2.8~3.5、シャッタースピードは1/125秒。RAW現像の時に色温度を高めに(青く)して、ほかのカットと雰囲気を変えた。加えてシャドウも少し現像時に持ち上げている。メインの光源は撮影中のカットからわかるように、部屋の中にある小窓だけだ。天気が良いとは言え、直接ここから日差しが入っているわけではないので結構暗い。

 露出上はISO400にしてシャッタースピードを1/60秒前後にすれば同じとなるものの、シャッタースピードが下がると、足元が悪かったり(上ブロック中央は、バスタブの淵に乗って撮っている)、手ブレ、被写体ブレなどを気にしながら撮らなければならず、時間効率が低下する。従ってISO800であまりノイズが乗らないキヤノンのカメラだと普段通りのテンポで撮影ができ非常に助かる。

 下ブロックの水着は、左上、右上、中央はISO100、左下はISO200、右下はISO400だ。F3.5で1/160~1/400秒。現像時に色温度は全て同じに揃えている。一般的にグラビアでよく見かける肌色だ。感度の違いによる発色の違いも無く、非常に安定した写りとなっている。さすがに何代にも渡り研究している絵作りだけのことはある。

 個人的には下ブロックのようにレフ板でベタに光を返しての写りより、上ブロック左上のようなその場の光だけで何も使わず撮った写真の方が雰囲気があり好きなのだが、仕事となるとなかなか難しいのが現状だ。と言うのも、この手の写真は屋外だろうが、ハウススタジオだろうが、陽の回りの関係で場所と時間を選ぶ。決められた時間内に要求された枚数をこなすには、「あの場所でこの光が入るまで待ち」はできない。

 もちろんロケなど行きなれた場所であれば何時から何処へ行けばこんな感じになると言うのは解っているので、それに沿ってスケジュールを組み立てる。ただこれについても、撮影が押したり、渋滞にはまったり、思った以上にメイクに時間がかかったり……と、いろいろな要因でピタリとは行かなかったりする。今回はたまたまタイミング良く、好きな光があってラッキーだった。

 数日前、私服のカットで彼女が気に入っている写真があるので、ブログに使いたいと言う連絡があった。もちろんOK! 「宣材に使いたい」も含め、この手の連絡は撮ったカメラマンにとって結構嬉しい事だったりする。(つづく)

actress渡辺万美SUNS
photographer西川和久
EOS Kiss X3
EF 35mm F2



西川和久
(にしかわ かずひさ) 1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機器としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、dwango.jp(待受)のグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中!http://www.iwh12.jp/blog/

2009/7/17/ 00:00