【記録メディア転送速度テスト】東芝「Premiugate SDHC UHS-I 16GB」

  • 記録メディアの転送速度を編集部で簡易に計測して掲載するコーナーです。
  • 掲載した結果はテストした個体によるもので、市場におけるすべての製品の性能を保証するものではありません。
  • 記事中の価格や仕様は執筆時のものです。価格は市況により変動する可能性があります。

 東芝が2010年11月~12月の時期に発売したSDHCメモリーカード「THNSU016GAA21K」は、東芝初のUHS-I対応SDHCメモリーカードだ。同社製UHS-I対応製品としては、すでにSDXCメモリーカード「THNSU064GAA2BC」が2010年4月に発売済み。

Premiugate SDHC UHS-I 16GB

 高速転送を標榜する「Premiugate」シリーズの上位モデル。最大転送速度は公称で読み出しが95MB/秒、書き込みが80MB/秒としており、UHS-I規格上の最高転送速度104MB/秒に迫る勢いだ。同社の現行モデル中で、もっとも高速なSDHCメモリーカードとなっている。

 直販サイト「Shop1048」での実勢価格は、32GBが3万9,800円、16GBが1万9,800円、8GBが9,980円。発売からまだ日が浅いこともあってか、調査時点では最安でも直販サイト基準で1割~2割引き程度にとどまっている。

 単純に同容量(16GB)の他社製品の価格を見ると、サンディスクの「SDSDX3-016G-J31A」が6,700円前後、パナソニックの「16GBRP-SDW16GJ1K」が1万1,800円前後で推移している。最新のハイエンドモデルなので仕方ないとはいえ、割高感は否めない印象だ。

 UHS-Iに対応したSDHCメモリーカードの種類自体がまだ少ないため、今回はUHS-I非対応の製品と比較した。また、計測環境をUHS-I対応機器に統一し、レリーズ回数計測ではニコン「D7000」、USBカードリーダーでの速度計測ではパナソニック「BN-SDCLP3」をそれぞれ使用している。 


ニコン「D7000」による書き込みテスト

  • カメラ内のバッファをすべて開放した状態で、RAWデータ(ファイルサイズ約15.6MB)とJPEGデータ(ファイルサイズ約600KB)の同時記録で連写し、レリーズ回数を調べた。途中でバッファがフルになってもシャッターボタンを押し続けている。また、パワーバッテリーグリップなどのオプションは使用していない。
  • Exifに記録された撮影時間をもとに、撮影開始から30秒間のレリーズ回数をチェックしている。
  • Exifには0秒以下の記録がないため、1秒間の誤差を考えて5回計測し、その平均枚数を小数点第1位まで掲載している。
  • フォーカスはマニュアル。レンズは装着せず、ボディキャップを装着した。
  • 露出はマニュアルモードで、シャッタースピードは1/2,000秒に固定。

●各カードのレリーズ回数(RAW+JPEG)

製品名容量発売元区分SDスピードクラスUHSスピードクラスレリーズ回数
THNSU016GAA21K(Premiugate SDHC UHS-I 16GB)16GB東芝SDHCClass10Class155.6
SDSDX3-016G-J31A(Extreme SDHC)16GBサンディスクSDHCClass10-50.4
LSD8GBDRBJP133(Professional SDHC 8GB)8GBレキサーSDHCClass6-36.8
TS8GSDHC10(Transcend SDHC 8GB Class10)8GBトランセンドSDHCClass10-34.6

USBカードリーダーでのテスト

  • 「CrystalDiskMark Ver.3.0」の連続書き込みと連続読み出し(Sequential)で5回ずつ計測し、各転送量(KB/秒)の平均を記載した。
  • テスト環境は、Windows 7 Professional、Core i5 M540@2.53GHz、メモリ2GB、SATA230GBのノートPC。
  • USBカードリーダーはUHS-I対応のパナソニック「BN-SDCLP3」。公称転送速度は最大40MB/秒。インターフェースはUSB2.0。

●各カードの転送速度(KB/秒)

製品名容量発売元区分SDスピードクラスUHSスピードクラスWriteRead
THNSU016GAA21K(Premiugate SDHC UHS-I 16GB)16GB東芝SDHCClass10Class124,97835,162
SDSDX3-016G-J31A(Extreme SDHC) SDHC 16GB)16GBサンディスクSDHCClass10-19,91221,884
LSD8GBDRBJP133(Professional8GBレキサーSDHCClass6-19,51821,806
TS8GSDHC10(Transcend SDHC 8GB Class10)8GBトランセンドSDHCClass10-17,12821,528

まとめ

 レリーズ回数、USBカードリーダーでの計測ともに、比較したモデルを上回る計測結果となった。特にUSBカードリーダーでの計測数値は、読み出し・書き込みともにUHS-I非対応の3機種を大きく引き離す形となり、性能の高さをうかがわせる結果となった。

 残念なのは、USB2.0では規格上480Mbps(約60MB/秒)の転送速度が限界値となるため、B-SDCLP3はじめUSB2.0のUSBカードリーダーでは、どう転んでも公称速度の読み出し95MB/秒、書き込み80MB/秒に迫ることができない点だ。USB3.0が普及した先を見据えた製品ということなのだろうが、活かす手段がないのであれば、今は我慢して購入を見合わせるというのも一つの手としてありうる。

 ただし、最近になって、USB3.0対応のカードリーダーが登場し始めている。高画素機で連写を多用したり、RAWで撮影することの多いユーザーにとっては、USB3.0カードリーダーと併せて購入を検討する良いタイミングかもしれない。

 先述の通り、UHS-I対応のSDXC/SDHCメモリーカードはまだ種類が少ない。現在発売済みの製品をはじめ、今後発売予定の製品についても、計測・レビューを含め、適宜触れていきたい。






2011/1/26 00:00