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【新製品レビュー】ソニーサイバーショットDSC-WX10

〜暗所に強いスタイリッシュコンパクト
Reported by 本誌:折本幸治

 今回紹介するサイバーショットDSC-WX10は、比較的コンパクトなボディを採用し、なおかつ沈胴式レンズを備えるWXシリーズのひとつだ。

 裏面照射型CMOSセンサー、明るいレンズ、高速連写、フルHD動画、簡易3D撮影といった流行の機能を網羅。しかも最短0.1秒という高速AFをうたい文句にするなど、手頃なスリムスタイリッシュ機を探している人には魅力的なモデルとなっている。

 撮像素子は1/2.3型裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」。画素数は有効1,620万画素。レンズは光学7倍ズームのソニーGレンズ。焦点距離は24-168mm相当(35mm判換算)F2.4-5.9。液晶モニターは2.8型約46.1万ドット。

 発売は3月4日。実勢価格は2万7,800円前後。カラーバリエーションは、ゴールド、ブラック、バイオレット。


謳い文句通り高速なAF

 試用したブラックモデルは、前面の金属製パネルと鏡筒の仕上げが秀逸。高級感ある手触りで、触っていて気持ちが良いほどだ。ただし表面がさらりとしているせいで滑りやすく、試用中に何度も冷やりとさせられた。ストラップは忘れずに装着しておきたい。上面、側面、底面は樹脂製。少々安っぽく感じられるのも残念だ。前面の質感の良さからすると、ギャップが大きくアンバランスな印象を受ける。

 裏面照射型CMOSセンサーだけあって、高感度域の画質はなかなかのもの。条件によって品質は大きく変わるが、個人的にはISO800やISO1600でもおおむね満足できる画質だ。

 また、シーン自動認識の「プレミアムおまかせオート」にしておくと、高感度での撮影になりそうなときは、自動的に連写合成が行なわれる。連写後に重ね合わせ処理を行ない、ノイズの少ない画像にしてくれるのだ。本機はCMOSセンサーらしく高速連写を得意としており、フル解像度で最大10枚/秒での記録が可能。ノイズ低減だけでなく、最近のサイバーショットでおなじみの「スイングパノラマ」や、「手持ち夜景」などで連写性能が活用されている。メカニカルシャッターのため、高速で動く被写体が歪んで写ることもない。

 プレミアムおまかせオートを使っていると、連写合成によるノイズ低減が頻繁に行なわれる。記録後に若干待ち時間が生じるものの、合成による位置合わせ処理の精度は高い。プログラムオートやマニュアル露出が用意されているものの、基本的にはプレミアムおまかせオートを常用するのが良いだろう。

連写合成で高画質に仕上げる「プレミアムおまかせオート」が強力

 レンズも優秀。広角側の画角が焦点距離24mm相当と、28mm相当を超える広さであり、かつ168mm相当までズームできる。10倍や12倍といった高倍率ズーム機にはかなわないものの、利便性は高い。逆光にも強く、太陽を画面内に入れるような構図でも、破綻は少なかった。広角端24mmにおいても、画面の四隅で描写が大きく崩れることもない。

 また、開放F値がF2.4と明るいのも特徴だろう。裏面照射型CMOSセンサーや連写合成と相まって、コンパクトデジタルカメラとしては、とにかく暗所に強い製品となっている。

 本機のもう一つの注目要素がAF速度。確かに高速で迷いも少ない。従来通りシャッタータイムラグが感じられるものの、望遠端でも結構サクサク合うのは気持ちよい。最近、AF速度をアピールするコンパクトデジタルカメラが増えている中、本機も名乗りを上げるに十分な性能だ。また、動画記録中に測距し直した場合でも、俊敏な動きで合わせ直してくれるのはありがたい。動く被写体に対しても迷いが少なく、ピントを大きく外すこともなかった。

電源オフの状態 電源オンの状態
右手親指はモードダイヤル上に置くタイプ。ダイヤルやボタンの配置は少々せせこましい印象だ SD系とメモリースティックデュオ系を混用できる。SDXCメモリーカードにも対応する
バッテリーはインフォリチウムGタイプを使用。撮影可能枚数は約360枚

24MbpsのフルHD動画記録が可能

 たくさんある機能の中で特に面白かったのが、「背景ぼかし」モードだ。これまでも類似の機能は他社モデルで存在したが、サイバーショットの背景ぼかしは輪郭処理が見事。複雑な輪郭をトレースできないなど、まだ不完全なところも見られるものの、大きく拡大しなければ十分使える。コンパクトデジタルカメラの苦手な分野を埋める機能として、将来が楽しみだ。なお、この機能を使用しつつさらに大きくぼかすには、広角端より望遠端で撮影したり、被写体と背景を遠くするなど、一般的なノウハウが適用できる。

 ソニーが積極的な3D関連では、従来の「3Dスイングパノラマ」と「スイングマルチアングル」に加えて、「3D静止画」が撮れるようになった。これにより、パノラマ撮影だけでなく、4:3や16:9での3D画像を生成できるようになった。

シーンセレクションに含まれている背景ぼかしモード。効果を低、中、高の3段階から選べる 3D関連では新たに「3D静止画」を搭載。4:3や16:9での3D画像を記録できる

 今春の裏面照射型CMOSセンサー搭載のサイバーショットは、本機に限らず全機種がAVCHD準拠のフルHD記録に対応。また、24Mbpsでの記録や60pでの記録(DSC-HX100V、DSC-HX9V、DSC-TX100Vのみ)が可能になるなど、他社より頭一つ抜き出た感がある。

 DSC-WX10ももちろんAVCHDに対応。1,980×1,080/60iでの機能が可能だ。また、今春から新設の24M FXモード(1,980×1,080/60i、24Mbps)も利用できる。従来からの17M FH(1,980×1,080/60i、17Mbps)、9M HQ(1,440×1,080/60i)も利用可能だ。加えてMP4形式での記録も行なえる。

 動画記録で気をつけたいのは、静止画モードから背面のMOVIE(動画)ボタンから記録を開始するとき。というのも、静止画モードから動画モードに切り替わるまで、3秒前後待たされるからだ。これを回避するには、モードダイヤルのポジションを動画モードにしておくこと。静止画記録中にせっかくのMOVIEボタンを活かせないのは肩すかしだが、反対に、動画記録中にシャッターボタンを押すと、300万画素相当の静止画を記録できる。

動画の記録方式。AVCHDとMP4の両方を選べる 今春から新たに24Mbpsでの記録モード(24M FX)が搭載された
ただし24Mbpsは規格外なので、DVDビデオ形式での記録ができないなど制約が設けられている

まとめ

 レンズが明るく広角撮影にも強い。7倍ズームとしては本体サイズもコンパクト。暗い場所にも強く、手持ちで次々と撮影を行なえるのは痛快だ。旅行など大量のスナップを行なうような目的にはうってつけだろう。ボディが小さいこともあり、日常的に携帯するカメラとしてもお勧めできる。

 ただし、先述したMOVIEボタンも含めて、メニューの動作が全般的に遅いのは気になった。キビキビした操作感が得られない点は改善してほしい。低感度での画質は、大きく拡大しなければ十分な解像度と階調の良さを感じさせるもの。ただし画像を拡大すると、芝生や布などが溶けたような描写になっており、輪郭もきつめでガサガサなのがわかる。これらは近年の他社製品を含めて同様の傾向だが、本機はレンズが良いためか、まだ救われていると感じる。

 なお、今春のWX系にはDSC-WX10とDSC-WX7の2モデルがラインナップされており、DSC-WX10の方が上位機種という位置づけになっている。

 両モデルの主な違いは光学ズーム倍率。DSC-WX10が7倍、DSC-WX7が5倍となっている。それ以外に大きな機能差はなく、スタイリングが異なるのみ。しかも価格差は1,000円程度にまで縮まっている。見た目の好みを除外してどちらか一方をお勧めするとしたら、DSC-WX10が固いだろう。


実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。

・画角

広角端 / DSC-WX10 / 約5.4MB / 4,608×3,456 / 1/400秒 / F7.1 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm 望遠端 / DSC-WX10 / 約4.8MB / 4,608×3,456 / 1/125秒 / F18 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 30.0mm

・歪曲収差
広角端 / DSC-WX10 / 約4.1MB / 4,608×3,456 / 1/400秒 / F2.4 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm 望遠端 / DSC-WX10 / 約4.4MB / 4,608×3,456 / 1/200秒 / F5.9 / 0.0EV / ISO250 / WB:オート / 30.0mm

・感度
ISO100 / DSC-WX10 / 約3.9MB / 4,608×3,456 / 1/25秒 / F3.5 / 0.0EV / WB:オート / 9.7mm ISO200 / DSC-WX10 / 約3.7MB / 4,608×3,456 / 1/50秒 / F3.5 / 0.0EV / WB:オート / 9.7mm
ISO400 / DSC-WX10 / 約4.0MB / 4,608×3,456 / 1/80秒 / F3.5 / 0.0EV / WB:オート / 9.7mm ISO800 / DSC-WX10 / 約3.7MB / 4,608×3,456 / 1/160秒 / F3.5 / 0.0EV / WB:オート / 9.7mm
ISO1600 / DSC-WX10 / 約3.7MB / 4,608×3,456 / 1/320秒 / F3.5 / 0.0EV / WB:オート / 9.7mm ISO3200 / DSC-WX10 / 約4.0MB / 4,608×3,456 / 1/640秒 / F3.5 / 0.0EV / WB:オート / 9.7mm

・背景ぼかし
プログラムオート / DSC-WX10 / 約3.7MB / 4,608×3,456 / 1/320秒 / F5.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 30.0mm 背景ぼかし:低 / DSC-WX10 / 約3.1MB / 4,608×3,456 / 1/320秒 / F5.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 30.0mm
背景ぼかし:中 / DSC-WX10 / 約3.1MB / 4,608×3,456 / 1/320秒 / F5.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 30.0mm 背景ぼかし:高 / DSC-WX10 / 約3.1MB / 4,608×3,456 / 1/320秒 / F5.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 30.0mm

・手持ち夜景
プログラムオート / DSC-WX10 / 約2.5MB / 4,608×3,456 / 1/6秒 / F2.5 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5.1mm 手持ち夜景 / DSC-WX10 / 約3.1MB / 4,608×3,456 / 1/30秒 / F2.5 / 0.0EV / ISO500 / WB:オート / 5.1mm

・逆光
DSC-WX10 / 約2.7MB / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F7.1 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm

・動画
  • 動画作例のサムネイルをクリックすると、未編集の撮影動画をダウンロードします。再生についてのお問い合わせは受けかねます。ご了承ください。
24M FX / 23.5MB / 1,920×1,080 / 60i / AVCHD
17M FH / 21.6MB / 1,920×1,080 / 60i / AVCHD
9M HQ / 15.1MB / 1,440×1,080 / 60i / AVCHD




本誌:折本幸治

2011/4/14 00:00