デジカメアイテム丼

縮長38cmながらアイレベルをカバーする一脚

シルイ「P-306」

 三脚よりも高い機動性が魅力なのが一脚だ。今回は、手頃な値段ながら大口径超望遠レンズにも対応し、短く収納できるシルイ(SIRUI、常盤写真用品扱い)のアルミ一脚「P-306」を紹介する。

P-306

 一脚は各社から多くの製品が出ているが、アイレベルの全高をクリアしながらカメラバッグに入る縮長、さらには重いレンズにも耐えられてなおかつ買いやすい価格……と探していくと、なかなか条件に合うものが無い。

 まず、アイレベルをクリアする一脚は縮長が50〜60cm程度と長い。できればカメラと一緒にバッグに収めてしまいたいと考えると40cmは切って欲しい。しかし、この条件をクリアするタイプは耐荷重面で大口径超望遠レンズの搭載が難しかったり、数万円と高価だったりする。

 その点今回採り上げるP-306は、全高が154cmと雲台なしでもアイレベルをクリア。一方、縮長はなんと40cmを切って38cmを実現している。

スポンジも巻いてあり握りやすい
最も伸ばしたところ。雲台なしでもほぼアイレベルの高さとなる(モデルの身長は約178cm)

 38cmの一脚がどのカメラバッグにも入るとは言えないが、筆者が使っているエツミ製バッグ「インプレッサ」には収納できた。一脚をバッグと別に持ち歩かなくて良いのは大変楽だ。バッグの外に付けて運ぶ場合でも短いのは助かるはず。

筆者所有のカメラバッグに何とか収まる大きさだった。この一脚はケースが付いていないので、布か何かでくるみたい

 縮長が短いのでひ弱なのかと思いきや、耐荷重は8kgと本格派。サンニッパクラスでも十分使える。今回は「SIGMA 120-300mm F2.8 DG OS HSM」+「EOS 5D Mark II」(バッテリーグリップ付き)で試用してみたが、何の問題も無く安定して使えた。機材の重さは計4.7kgほどだ。

 さて気になる価格だが、大手量販店では税込5,910円となっており、スペックを考えると懐に優しいと思う。

 実はこのP-306のカーボン版といえる「P-326」というのもあるのだが、重さがP-306の0.5kgに対してP-326は0.4kgと100gの軽量化に留まる。それでいて価格は税込9,850円と4,000円ほど高い。まあ100gの差をどう考えるかだが、筆者はアルミのP-306のコストパフォーマンスが際立っていると思った。

 ところで、なぜここまで縮長を短くできたのかといえば、一脚では少数派の“6段パイプ”を採用して1つのパイプ長を詰めているためだ(一脚は4段や5段のタイプが多い)。

 細くなりがちな一番下のパイプ径も16mmとそこそこの太さを確保しており、先の機材で使っていても不安は無かった。ちなみに、一番上のパイプ径は32mmと結構太めで、がっしりした印象を受ける。

6段なのでロックは5カ所ある

 しかし、段数が多いということはロックナットの数が多いということなので、4段や5段タイプに比べると伸縮には一手間余計に掛かる。

可変石突を採用。回すとスパイクが出てくる

 シルイの製品が日本に入ってきたのは2011年と最近のため、認知度はまだ比較的高くないようだ。また、中国のメーカーと言うことで品質面で敬遠している向きもあるかもしれない。

 しかし、今回試用した印象で言えば実に作りが良い。パイプの伸縮はとてもスムーズで、ロックを緩めると自重ですべてのパイプがスーッと出てくる(逆に先端を上に向けると、自重だけで完全に収納状態まで縮む)。これは加工の精度が高い証だ。ロックナットの固定とリリースは1回転させる必要も無く180度弱回せば十分だ。もちろん、各パイプは空転防止になっており、どこのロックナットからでも回せる。

 上部のカメラ台は直径6cm近いものが付いている。これはアルミ製でしっかりしている。また驚いたことに、ストラップと一脚を繋ぐパーツもアルミ削り出しだった。樹脂製のように割れたりする心配はなさそうだ。

カメラ台もアルミ製で、樹脂のシートが貼ってある
カメラネジは太ネジと細ネジの両方に対応する
カラビナとコンパスも付いている。ストラップを止めているパーツもアルミ製だ
カラビナがあるのでズボンのベルトループに提げることもできる

 ケースが付いていないのはやや残念な点だ。適当な大きさのケースが付いているとなお良かっただろう。

(本誌:武石修)