デジカメドレスアップ主義

クラカメ風デジカメの真打ち登場

FUJIFILM X-T1 + Macro Switar 50mm F1.8 AR

  • ボディ:FUJIFILM X-T1
  • レンズ:ケルン マクロスイター 50mm F1.8 AR
  • マウントアダプター:KIPON BAVEYES ALPA-FX 0.7x
  • ストラップ:shawn & megu canvas camera strap

 オリンパスOM-Dシリーズ、ソニーα7/7Rに続き、富士フイルムからもペンタ部付きミラーレス機、X-T1が登場した。往年のフィルムカメラを彷彿とさせるデザインゆえに、「フジカSTに似てる」「コンタックスRTSにそっくり」など、様々な感想が飛び交っている。個人的にはローライフレックスSL35Eに激似と信じてやまないが、いずれにせよ、オールドレンズと好相性なデザインであることはまちがいない。今回はこのX-T1をベースにドレスアップを楽しんでみよう。

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 FUJIFILM X-T1はAPS-Cセンサー搭載機だ。フルサイズミラーレスのα7/7Rが登場した昨今、オールドレンズのベースボディとして画角面で不利と言わざるを得ない。このウィークポイントを克服するアイテムとして、今回はキポンのレデューサーレンズ入りマウントアダプター、BAVEYESシリーズを用いてみた。Speed Boosterでおなじみの縮小光学系を搭載したマウントアダプターで、マスターレンズの0.7倍で撮影が可能だ。50mmレンズとX-T1を組み合わせた場合、50mm×0.7倍×1.5倍で35mm判換算52.5mm相当となる。APS-C機でマスターレンズをほぼオリジナルの画角で使えるわけだ。

フィルムカメラ風のボディデザインが功を奏し、オールドレンズがよく似合う
X-Pro1とくらべ、X-T1は小ぶりのボディだ。ライカMレンズや一眼レフ用標準レンズだとバランスがよい

 BAVEYESシリーズはキポンとドイツのIB/E OPTICSが共同開発した製品で、レデューサーレンズはIB/E OPTICSが担当している。3群4枚の本格的な光学系だ。ボディ側マウントはソニーEマウントと富士フイルムXマウントをラインアップし、レンズ側マウントはここで取り上げるアルパをはじめ、EOS、M42、ライカR、ニコンFなどに対応する。汎用性を考慮すると、EOSマウントのものが使い勝手がよいだろう。各種EOSアダプターを別途用意することで、BAVEYESで様々なマウントのレンズを楽しめる。価格は3万円台を実現し、この手の製品としては競争力のある価格設定になっている。

キポンのBAVEYES ALPA-FXは、焦点工房にて3万6,800円。ソニーEマウント用もある
キポン製品だけあって、発売当初からレンズ側マウントは豊富にそろっている。写真のEOS-FXは3万1,800円だ
3群4枚のレデューサーレンズを内蔵する。HANDEVISIONを担当するドイツIB/E OPTICS社製のレンズだ
新ブランドネームBAVEYESは、「ドイツバイエルン(Bavaria)の目」が由来だという

 ドレスアップ面はショーン&メグのキャンバスカメラストラップを合わせてみた。ユーズドのキャンバスにレザーと真鍮パーツを組み合わせた、いわゆるリメイクによるストラップだ。レザーと真鍮パーツは新品だが、使い込むほどにエイジングしていく。ショルダー部分はユーズドマテリアルとなるため、1本1本微妙に表情が異なる。ある種のオンリーワン的な要素があり、オリジナリティのあるドレスアップスタイルが作りやすいだろう。取り付け金具は大きめで、ここでは手持ちの二重リングを別途組み合わせてX-T1に装着した。なお、この金具を省略したバージョンもラインアップしている。

ショーン&メグのユーズド素材を使ったキャンバスカメラストラップは8,800円だ
ユーズドのキャンバスは1本ごとに微妙に表情が異なる。ショルダー部分にロゴマークが入る
金属パーツはソリッドブラスを使用。レザーともにエイジングが楽しめる
取り付け部は大きめの金属パーツを採用。この金属パーツなしのバージョンは7,700円だ

 レデューサーレンズ入りマウントアダプターは、APS-C機でフルサイズ相当の画角を実現する。一方、マスターレンズ以外のレンズが加わるため、オールドレンズ本来のテイストを再現できるのか否か、画質が気になるところだ。今回BAVEYESとマクロスイター50mm F1.8を組み合わせたところ、マクロスイターならではの繊細なシャープネス、そしてとろけるようなボケ味がしっかりと再現されていた。色合いはマスターレンズのみの撮影よりもいくぶん現代的な印象を受けるが、極端に高発色になることもなく、マスターレンズのテイストを受け継いだ絵が撮れる。撮影条件によっては周辺部がわずかに流れたが、今回試写した範囲では許容できる程度だった。BAVEYESシリーズは3万円台の製品ということもあり、価格相応の実力の持ち主といえそうだ。

  • ・作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • ・縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。

X-T1 / Macro Switar 50mm F1.8 AR / BAVEYES ALPA-FX / 4,896×3,264 / 1/2,000秒 / F1.8 / +0.67EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-T1 / Macro Switar 50mm F1.8 AR / BAVEYES ALPA-FX / 4,896×3,264 / 1/140秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-T1 / Macro Switar 50mm F1.8 AR / BAVEYES ALPA-FX / 4,896×3,264 / 1/4,000秒 / F1.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-T1 / Macro Switar 50mm F1.8 AR / BAVEYES ALPA-FX / 4,896×3,264 / 1/1,700秒 / F2.8 / -1.33EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-T1 / Macro Switar 50mm F1.8 AR / BAVEYES ALPA-FX / 4,896×3,264 / 1/300秒 / F5.6 / -0.67EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-T1 / Macro Switar 50mm F1.8 AR / BAVEYES ALPA-FX / 4,896×3,264 / 1/3,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm

 X-T1はMF機能が充実しており、オールドレンズのピント合わせが快適だ。その最たる例がEVF上の2画面表示である。EVF上の画面がメイン画面とサブ画面に分かれ、サブ画面はメイン画面の一部拡大表示になっている。つまり、全体表示と拡大表示をひとめで確認できるわけだ。拡大表示はジャストでピント合わせするための必須テクニックだが、いちいち拡大表示に切り替えるのは手間がかかる。X-T1の2画面表示はそうした不満を見事に解消した機能といえるだろう。

 また、本機はデジタルスプリットイメージとピーキングをワンアクションで切り替えられる。MF時に本体背面のフォーカスアシストボタンを長押しすると、デジタルスプリットイメージとピーキング、そして通常表示の切り替えが行なえる。デジタルスプリットイメージとピーキングはともに従来機能だが、シンプルな操作で呼び出しできることで、これまで以上に活用の幅が広がるだろう。デザインもさることながら、撮影機能の面でもオールドレンズと好相性なボディである。

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp