写真展
馬場さおり写真展「2.7%~若年性乳がんを発症した私~」
(ニコンサロン)
Reported by 本誌:河野知佳(2015/3/3 08:00)
2013年1月、作者はステージⅡb期の若年性乳がんと診断された。
若年性の乳がんは、乳がん患者全体のたった2.7%にすぎない。また、若年性は一般的に予後が悪いという事を知り、作者は生まれて初めて自分の「死」というものに向き合う事になった。
乳がん手術は、女性の大切な、目で見える部分にメスが入る。それは、女性にとって、とても辛い事であることは言うまでもない。特に若年性乳がんの患者は、未婚や出産経験のない人が多い。どんなに乳房再建手術の技術が高くなっても完全に元に戻す事は不可能であり、また、ホルモン療法が可能ながんのタイプであれば、長ければ10年にも及ぶ治療も必要になる。その間の妊娠出産は諦めなければならない。つまり、人間として、そして女性としての生き方そのものにも影響してしまう。
作者は、セルフポートレートを撮り始めた。
手術が終わり、抗がん剤、放射線治療と、苦しい日々が続いた。髪、眉毛をはじめ体毛がすべて抜け落ちた。しかし抗がん剤治療が終わり、徐々に髪が生えてくると、まるで心の中の霧が晴れた様に、とても元気な自分に戻れた気がした。
これからも作者の治療は続く。
本展が若年性乳がんについて少しでも知るきっかけになってくれることを作者は願っている。カラー30点。
(写真展情報より)
会場・スケジュールなど
- ・会場:新宿ニコンサロン
- ・住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
- ・会期:2015年3月17日火曜日~2015年3月30日月曜日
- ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- ・休館:会期中無休
- ・入場:無料・・入場:無料
作者プロフィール
1978年生まれ。九州産業大学大学院芸術研究科写真領域在学中。2013年米国National Geographic 誌英語版8月号に、編集者選出でYour shot掲載。14年同誌WEB版Assignments & Stories 編集者選出で‘Time Capsule’に掲載(11月)。
主な写真展に、13年「Colors」(ソラリアパークサイドギャラリー/福岡市)、「on the way ~道の途中~」出品、「Bachata en Fukuoka」(新宿コニカミノルタプラザ)などがある。