写真展

白鳥真太郎写真展「貌」

(JCIIフォトサロン)

©白鳥真太郎

JCIIフォトサロンでは、来る2015年1月5日(月)から2月1日(日)まで、白鳥真太郎作品展「貌」を開催いたします。

白鳥氏は1947年長野県松本市で生まれ、資生堂、博報堂の写真部を経て、フリーランスとなりました。20代の頃から現在に至るまで広告写真家として、人物、風景、商品など被写体を選ばず様々なジャンルの広告を手がけ、時代に左右されない普遍的な撮影センスで数多くの賞を受賞してきました。現在では、日本広告写真家協会(APA)の会長を務めるなどして活躍しています。

今回の作品展は「貌」と題して、1999年に出版した写真集『貌 KAO 白鳥写真館』より、日本を代表する俳優の方々をはじめ、ミュージシャンやスポーツ選手、芸術家など各分野で活躍している著名人120人のポートレートをご覧いただきます。

白鳥氏は、松本で100年以上の歴史を刻んできた「白鳥写真館」の4代目として生まれましたが、写真館の後継ぎにはならず広告写真家の道へと進みました。常に時代をリードし流行をつくる広告写真と、人生の節目や晴れ姿を残す写真館の写真とでは、まったく異なるジャンルのように思われますが、どちらも1枚の写真にかける思いや情熱は共通する部分があります。

広告写真家として「対象の晴れの姿をとらえる」という信念を持ち、被写体と向き合ってきた白鳥氏は、実家が写真館ということもありポートレートに対して特別な思い入れがありました。広告写真で培った技術や経験を活かしながらも写真館としての写真の原点に帰り、被写体が喜ぶポートレートを撮りたいという気持ちがこの作品が生まれたきっかけでした。

貌の輪郭や髪の毛のディテールを柔らかく浮かび上がらせるライティングを基本に、一人一人の個性に合わせ綿密に計算された光や構図は、これまでに様々な被写体と対峙し、経験を積んできた氏ならではのものでしょう。

津川雅彦(俳優)、夏木マリ(女優)、岡本太郎(芸術家)、森英恵(デザイナー)、長嶋茂雄(野球選手)、椎名誠(作家)、矢沢永吉(ミュージシャン)など、貌の表情をとらえたポートレートからは、瞳に宿る意志の強さや刻まれたしわの魅力が写し出され、その人が今に至るまでに歩んできた人生の方向性を窺い知ることができます。

それぞれの分野でその道一筋に生きてきた方々の外見の美しさだけでなく、その人の持つ人間性を内面から引き出した人生を感じさせる大人のポートレート作品です。

(写真展情報より)

  • ・会場:JCIIフォトサロン
  • ・住所:東京都千代田区一番町25番地JCIIビル
  • ・会期:2015年1月5日月曜日〜2015年2月1日日曜日
  • ・時間:10時〜17時
  • ・休館:月曜日
  • ・入場:無料

(本誌:河野知佳)