写真展

ジョセフ・クーデルカ展

(東京都国立近代美術館)

ジョセフ・クーデルカ 「カオス」より ノール=パ=ド=カレー、フランス(1986 年)/ウェールズ、イギリス(1997 年)/ウェールズ、イギリス(1997 年)© Josef Koudelka / Magnum Photos

 ジョセフ・クーデルカ(1938年チェコスロヴァキア生まれ)は、今日世界で最も注目される写真家の一人です。本展はその初期から最新作までを紹介する展覧会です。

 航空技師として働きながら1960年代初頭に写真を発表し始めたクーデルカは、知人の紹介で撮影を始めたプラハの劇場での写真を通じてチェコスロヴァキアの写真界にその存在を知られるようになります。1967年には技師の仕事を辞め、フリーランスの写真家として活動を開始。その翌年ワルシャワ条約機構軍のプラハ侵攻を撮影。その写真は匿名のまま西側に配信され、それをきっかけに1970 年、クーデルカは故国を離れました。

 当初イギリス、後にフランスを拠点に、チェコスロヴァキア時代からとりくんでいた「ジプシーズ Gypsies1962-1970」や、亡命後にヨーロッパ各地で撮影された「エグザイルズ Exiles 1970-1994」などのシリーズを発表。それらは詩的でありながら独特の強さをもつイメージによって、市井の人々のささやかな人生の陰影をとらえつつ、20世紀という時代をめぐる文明論的な奥行きをも備えた作品として高く評価され、クーデルカは一躍欧米の写真界でその名を知られるようになりました。

 2002年、クーデルカの初めての本格的な回顧展として、故国チェコ共和国、プラハのナショナル・ギャラリーで開催された本展は、その後トルコやメキシコに巡回しました。アジアでは初の開催となる東京展では、従来展示されなかったヴィンテージ・プリントが加わるほか、1980年代後半よりとりくんでいるパノラマ・フォーマットの作品による「カオス Chaos 1986-2012」のシリーズを、最新作も含めた新たな構成とし、初期から今日に至るクーデルカの作品世界を紹介します。

(写真展情報より)

ジョセフ・クーデルカ 「ジプシーズ」より スロヴァキア、チェコスロヴァキア(1967年)© Josef Koudelka / Magnum Photos

  • 東京都国立近代美術館
  • ・住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
  • ・会期:2013年11月6日水曜日~2014年1月13日月曜日
  • ・時間:10時~17時(金曜日は20時まで)
  • ・休館:月曜日(12月23日、1月13日は開館)、12月24日火曜日、年末年始(12月28日~1月1日)

主任研究員/本展企画者の増田玲氏による講演会が、11月16日土曜日に開催される。時間は14時〜15時30分。場所は東京国立近代美術館 講堂(地下)。

また、11月29日金曜日、および12月20日金曜日のにはギャラリートークがそれぞれ行なわれる。講師は11月29日が客員研究員の小林美香氏、12月20日が増田玲氏。時間はともに18時〜19時。場所はどちらも企画展ギャラリー(1階)。

いずれのイベントも申込不要、参加無料。ただし、ギャラリートークは要観覧券。

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