写真展

写真展「All About Bond : Terry O'Neill」

(Instyle Photography Center、ブリッツ・ギャラリー)

©Terry O'Neill

世界的に知られる英国ロンドン出身の写真家テリー・オニール(1938 - )の“All About Bond” Terry O’Neill (オール・アバウト・ボンド : テリー・オニール写真展)を開催いたします。テリー・オニールは、初期のザ・ビートルズやローリング・ストーンズ、そしてハリウッド映画のスターたちの秀逸なポートレートで知られる世界的な写真家です。また彼は、約50年に渡り007・ジェームズ・ボンド映画を写真撮影した唯一のカメラマンでもあります。本展では彼の写真作品を通して、ジェームズ・ボンドの歴史を振り返ります。

イアン・フレミングによる1953年の原作発表と1962年の映画化以来、ジェームズ・ボンドは、英国文化の最も典型的な部分を世界に紹介してきました。いままで23作の映画シリーズと6名の007俳優により、多くの忘れがたいスタントが演じられ、ボンドカーをはじめとする様々なこだわりの装備類や美しいボンド・ガールたちを世に送りだしてきました。2015年12月には最新作「スペクター」が公開予定です。

テリー・オニールは、象徴的な英国スタイルが反映されている主要ボンド映画を多方面から撮影してきました。ショーン・コネリー、ロジャー・ムーアから、最新作のダニエル・クレイグまで、5名の正式なボンドとともに、1967年の「カジノ・ロワイヤル」からデービッド・ニーブンとピーター・セラーズを撮影しています。また、作品にはジェーン・シーモア、ウルスラ・アンドレス、オナー・ブラックマンなどの美しきボンド・ガールも含まれます。

本展では、オフィシャルなものから、非常に珍しい映画のオフ・ショットや出演者のパーソナルな瞬間をとらえた作品まで、カラー・モノクロを含む約30点が展示される予定です。作品の中には、ロジャー・ムーアとテリー・オニールによる、貴重なダブル・サイン作品も含まれます。“All About Bond”は、テリー・オニールの写真でシリーズ50年の歴史を振り返ることができる、ボンド・ファンはもちろん、アート写真ファンにとっても、必見の写真展といえるでしょう。

(展示情報より)

©Terry O'Neill

©Terry O'Neill

©Terry O'Neill

©Terry O'Neill

©Terry O'Neill

©Terry O'Neill

会場・スケジュールなど

  • ・会場:Instyle Photography Center
  • ・住所:東京都港区南麻布5-2-9
  • ・会期:2015年12月4日金曜日~2015年12月20日日曜日
  • ・時間:13時~18時
  • ・休館:月曜日
  • ・入場:無料

  • ・会場:ブリッツ・ギャラリー
  • ・住所:東京都目黒区下目黒6-20-29
  • ・会期:2016年1月8日金曜日~2016年2月6日土曜日
  • ・時間:13時~18時
  • ・休館:日曜日・月曜日
  • ・入場:無料

テリー・オニール (Terry O’Neill)

テリー・オニールは、1938年英国のロンドン生まれ。彼の写真家キャリアは全くの偶然に始まりました。彼はもともとジャズのドラマー志望でした。若きオニールは将来ニューヨークのクラブで音楽の道に進むことを夢見ながら、とりあえずBOAC(現在の英国航空)でスチュワードの職につきます。しかし同社が彼に与えた仕事は、ヒースロー空港で起こる様々なシーンの写真撮影でした。彼は空港で当時の英国の副首相兼国務長官のラブ・バトラー(Rab Butler)のスクープ写真撮影に成功。1959年、この写真がきっかけで彼は新聞社のスタッフ・フォトグラファーとなります。

1960年代、オニールは音楽、映画、ファッション界の新しいアイコンを見つけて、写真を撮り続けました。彼は、クールなヴィジュアル作りに定評があります。それを特徴づけたのが35mmカメラの使用です。他のカメラマンがスタジオで撮影していた中、彼は小型で携帯可能なカメラで、当時のポップ・カルチャー・シーンを動きのある新しいドキュメンタリー・スタイルで撮影したのです。彼はザ・ビートルズとザ・ローリング・ストーンズを新聞と雑誌のフロントページで紹介した最初の写真家となり、その交友関係にはミック・ジャガー、ポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、エリック・クラプトンなどが名を連ねました。彼の写真は激動する60年代をとらえるとともに、その時代の気分も作り上げたのです。オニールの才能は、米国映画界でも高く評価されます。フランク・シナトラ、オードリー・ヘップバーン、ラクエル・ウェルチ、ポール・ニューマン、エリザベス・テイラーなど、多くのハリウッド・スターに指名を受けるようになります。アルバム・カバー、映画ポスター、ファッションや、タイム、ライフ、ヴォーグ、パリ・マッチ、ローリング・ストーンなどの雑誌、新聞の仕事を行ってきました。

2011年、オニールは写真芸術への継続的な重要な貢献が認められ、英国王立写真協会よりCentenary Medalを授与されました。その後、彼の作品は時代を切り取ったア―ト作品として再評価され、デビッド・ベイリー、ブライアン・ダフィー、テレンス・ドノヴァンとともに、戦後英国を代表するファッション・ポートレート写真家と認められています。いまや作品は主要な美術館とアート・ギャラリーにコレクションされ、ニューヨーク、ロサンゼルス、ストックホルム、パリ、アムステルダム、パース、ミュンヘン、ローマ、マドリード、香港、東京などの都市で展示されています。

(本誌:河野知佳)