写真展

長洋弘写真展「インドネシア残留元日本兵−なぜ異国で生涯を終えたか−」

(ニコンサロン)

1984年、作者は残留元日本兵の一人に、元ジャワ憲兵隊長の子息と間違えられた。衝撃的な出会いであった。彼の最初の言葉は「生きた証(あかし)が欲しい、このままでは死ねない」だった。彼には原隊(日本軍)を離れたという逃亡兵の負い目があった。旧軍刑法では敵前逃亡は重罪、その汚名は留守家族、親族まで及んだ。彼らの心の中に「戦陣訓」の一節「生きて虜囚の辱めを受けず〜」が生きていた。

敗戦後の原隊離脱は逃亡なのだろうかと、作者は素朴な疑問をもった。彼らが残らざるをえなかった真実とは何か。彼らの言葉が作者を動かし、作者はシャッターを切った。爾来、30年の長きにわたり日本とインドネシアを作者は行き来した。東部ジャワに住む元陸軍曹長・小野盛氏とは死ぬ間際の一年間付き合った。2014年8月、彼が最後の日本兵となった。

多くの将兵や邦人を犠牲にした戦争、家族を一通の赤紙で引き裂いたあの戦争とは何だったのか。戦後70年の今、祖国に帰ることなく死んだ元日本兵の生きた証を作者は写真で残した。

カラー5点・モノクロ55点。

(展示情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:銀座ニコンサロン
  • ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • ・会期:2015年12月2日水曜日〜2015年12月15日火曜日
  • ・時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1947年埼玉県生まれ。谷川岳の山岳ガイドの高波吾策氏に師事。東南アジアや中東を得意とする写真家であり、作家としても活動。日本写真協会会員。

著書に『帰らなかった日本兵』(朝日新聞社)、『海外日本人学校』、『二つの祖国に生きる』(以上、草の根出版会)、『遥かなるインドネシア』、『バリに死す』(以上、燦葉出版社)、『インドネシア残留元日本兵を訪ねて』『冒険に生きる』『バパ・バリ』『インドネシア残留元日本兵』(以上、社会評論社)などがある。

受賞歴に、国際児童年記念写真展大賞、95年第4回林忠彦賞、03年第9回酒田市土門泄カ化賞奨励賞、社会貢献者表彰などがある。

近年ではインドネシア・日本国交樹立50周年記念写真家として世界遺産などを取材。