石川直樹写真展：いつでもどこでも写ルンです

南極点。もっていったカメラがすべて故障し、最後に残った「防水」の写ルンですにて撮影。

1986 年に商品化された「写ルンです」は、当時まだ特別なものだったカメラや写真を、誰もが日常的に楽しむものに変える端緒となり、昨年30 周年を迎えました。デジタルカメラやカメラを内蔵するスマートフォンが普及した今日なお、撮影枚数の制限から大切にシャッターを切る感覚、現像するまで写真が見られないわくわく感、フィルムらしい仕上がりなど、「写ルンです」ならではのテイストに改めてご支持をいただいております。

本写真展では、北極点から南極点までを人力で踏破。23 歳でエベレスト含む七大陸最高峰を史上最年少（当時）で登頂など、地球をフィールドに活躍し続けてきた写真家石川直樹氏が、厳しい遠征にも携行した「写ルンです」だからこそ捉えることのできた極地の記録から、機動力を発揮した旅先でのスナップなど、「写ルンです」で捉えたこれまでの旅の記録を展示します。

また、自身が新たな方向の写真や映像を担当する、ふくしまの中高生によるミュージカル創作プロジェクト「チャレンジふくしまパフォーミングアーツプロジェクト」（主催：福島県）に出演する中高生たちとのワークショップから生まれた、「写ルンです」で撮影した活動や日常の様子も展示。「写ルンです」が、記録だけにとどまらず、写す人と見る人の心をつなぐことも感じていただけます。

写真展情報

写真展のタイトル通り「写ルンです」は、いつでもどこでも誰が使っても目の前の世界を写しとってくれる、きわめて信頼性の高いアイテムです。北極や南極などの極地でも旅の軌跡をしっかりと記録してくれましたし、小笠原の水中ではじめてイルカと泳いだときも防水の「写ルンです」が活躍しました。苦しい時も楽しい時も一緒に旅をしてきた「写ルンです」の記録とその可能性に、この写真展で触れていただけたら嬉しいです。

出展者の言葉

小笠原諸島の海でイルカと泳いだ際、水中で撮影。

カナダ北極圏。シロクマが現れ、咄嗟の撮影。

会場

FUJIFILM SQUARE 富士フイルムフォトサロン 東京 スペース1
東京都港区赤坂9-7-3

開催期間

2017年8月11日（金・祝）～8月24日（木）

開催時間

10時～19時（最終日は16：00まで／入館は終了10分前まで）

休館

会期中無休

ギャラリートーク

8月12日（土） 15時～15時40分（予定）

作者プロフィール

1977年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。
辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表している。「CORONA」により土門拳賞、「最後の冒険家」で開高健ノンフィクション賞受賞。