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オーダーメイドの「ライカMアラカルト」が開始
M型デジタル初。本体3カラー×レザー12種類など
Reported by 本誌:鈴木誠(2015/11/20 10:15)
ライカカメラジャパンは、ライカM(Typ240)のオーダーメイドサービス「ライカMアラカルト」プログラムを12月以降に受付開始する。具体的な価格や納期は未定。
デジタルレンジファインダーカメラ「ライカM」(Typ240)をベースに、好みの外装や機能を選べるサービス。本体色、貼り革、一部機能の有無などを好みで選べる。追ってWebサイト上にコンフィグレーター(カスタム項目を選んでプレビュー・注文できるページ)を用意するという。
デジタルのM型ライカでアラカルトが実施されるのは初めてのこと。ライカMアラカルトの機種に搭載されるバッファメモリーは2GB(ライカMの2倍。ライカM-Pと同じ)。フィルムライカのアラカルト(M7/MP)に用意されている、ファインダー倍率や対応ブライトフレームの選択肢はない。
本体カラーは「ブラッククローム仕上げ」、「シルバークローム仕上げ」、「ブラックペイント仕上げ」の3種類から選べる。
トップカバーのデザインは、「ボディ前面にライカの赤ロゴとMの文字がある」か、「前面に赤ロゴがなく、上面にLeicaクラシックロゴ刻印がある」か、「前面に赤ロゴがなく、上面のLeicaクラシックロゴ刻印もない」の3種類。
上面と背面には、ユーザーの指定する刻印も入れられる。色は黒、白、赤から選択可能。
レザー外装は、標準的なブラックの貼り革を含む全12種類から選べる。標準レザーをのぞきフルグレイン牛革を採用し、テクスチャーはクラシックなリザード風のほか、オーストリッチ風も用意する。カラーはフィルムライカのアラカルトで人気のあった4種類を据え置き、そのほかは色味などが新規のものになっている。
背面液晶モニターのカバーガラスは、ゴリラガラス(ライカMと同じ)が、追加料金でサファイアガラス(ライカM-Pと同じ)を選べる。
機能面では、ファインダー内に表示されるブライトフレームのプレビューレバーの有無と、動画記録機能の有無を選べる。動画機能をなしにした場合、上面のマイクがなくなり、カメラ内のメニューからも動画メニューがなくなる。
なお、Webサイト上のコンフィグレーターは、2016年に3Dアニメーションでもプレビューできるようにするという。SNSなどへのシェアボタンも備えるとのこと。
Q&A
来日していたライカカメラ社プロダクトマネージャーのステファン・ダニエル氏に、ライカMアラカルトの気になるポイントについて質問した。
--なぜM型デジタルではファインダー倍率が選べないのでしょうか?
実はフィルムのアラカルトでも、0.58倍や0.85倍を選ぶ方はあまりいなかったのです。例えばいま0.58倍(広角レンズ向きとされる、視野が標準より広いタイプ)を選べるようにすると、F0.95のノクティルックスでピント精度が保証できません。フィルムライカのアラカルトでもスタンダードな0.72倍を選ぶ方が多かったことを踏まえ、デジタルでもファインダー倍率にバリエーションを持たせることは検討しましたが、採用しませんでした。
--ライカMではブライトフレームがLED式ですが、その表示パターンをカメラ内で変更できませんか?日によって75mmの枠を消したりしたいです。
ライカMでもマスクプレートを組み合わせてブライトフレームを出す仕組みは変わっておらず、単に4灯のLEDを照明として用いているだけなのです。そのため、それらをオン/オフしても表示パターンは変えられません。
--LED照明のブライトフレームは、旧来の外部採光式に比べて明るすぎると感じる時がありますが、調節できないのでしょうか?
ブライトフレームの明るさは、カメラ前面の測光部(ライカ赤ロゴの左上)で環境光をもとに自動調節しています。技術的には、ソフトウェアのアップデートなどで明るさ調節の設定項目を追加することも不可能ではありません。
--ライカMアラカルトのカメラには「LEICA CAMERA WETZLAR GERMANY」と、ウェッツラーの地名が入るのですね。
そうです。ゾルムス時代に生産されたものには「LEICA CAMERA MADE IN GERMANY」と入っていますが、本社がウェッツラーに移ってから生産されたものは、通常のライカMでも「LEICA CAMERA WETZLAR GERMANY」の刻印が入っています。