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ニコン、AF機能が向上した「D4S」を正式発表
拡張でISO409600相当に対応。RAWサイズSも
Reported by 本誌:鈴木誠(2014/2/25 13:41)
ニコンは、同社フラッグシップのデジタル一眼レフカメラ「D4S」を3月6日に発売する。店頭価格は65万円前後の見込み。
2012年1月発売の「D4」をベースに、AF性能、画質、操作性、動画機能などを見直し、完成度を高めたというモデル。2014年1月7日に開発発表していたが、参考展示を行なった米ラスベガスの家電見本市「2014 International CES」および横浜のカメライベント「CP+2014」でも具体的なスペックは明らかにされていなかった。
35mmフルサイズ相当のニコンFXフォーマットCMOSセンサーを採用。有効画素数は1,623万とD4に近いが、新開発の異なる撮像素子を搭載する。記録メディアはD4と同様、XQDメモリーカードとCFを採用する。画素数をRAWの1/4とし、ファイルサイズが約1/2になるという「RAWサイズS」(12bit、非圧縮)を新たに追加した。
AFは、D4のアドバンストマルチCAM3500FXオートフォーカスセンサーモジュールをベースに、AFアルゴリズムを高次元で調整。予測しにくい動きや、コントラストの低い被写体でもAFが可能としている。加えて、高速で接近もしくは遠ざかるような動きの激しい被写体、団体スポーツで狙った選手の手前を別の選手が横切るようなシーンでも、被写体を高精度で判定して追従し続けるという。
AFモードは新たに「グループエリアAF」を搭載。ユーザーが選んだ1点に上下左右を加えた計5点で面を形成し、被写体が小さく、予測しづらい動きをしていてもAFの背景抜けを防ぐという。D4にあったシングルポイントAF、ダイナミックAF(9/21/51点)、3D-トラッキング、オートエリアAFも引き続き利用可能。連写速度は約11コマ/秒(AF・AE追従時、CIPAガイドライン準拠)でD4と同じ値としている。
また、超望遠レンズのフォーカス作動ボタンを押すことで、一時的に指定のAFエリアモードを利用できるようになった。
常用最高感度はISO25600。拡張時はISO50相当のLo1からISO409600相当のHi4まで。最高感度はどちらもD4から1段アップしている。報道向けに画質向上したJPEGや高感度撮影時のノイズ低減などは、新画像処理エンジン「EXPEED 4」(D4はEXPEED 3)と新開発のCMOSセンサーによるという。
ホワイトバランスは、肌色表現の向上を特徴としている。新しい画像分析方法により、フレーム内の白部分をより正確に抽出・判別できるようになったため。また、予め無彩色の部位からプリセットマニュアルデータを取得できる「スポットホワイトバランス」も搭載した。取得失敗時もエリアを変えて連続作動するため、やり直しの必要がない。
ファインダーは視野率約100%・約0.7倍、アイポイント18mmでD4と同スペック。新たにミラーバランサーなどの改良でミラーバウンドによる振動を抑え、像ブレを低減。高速連写中は選択したフォーカスポイントが常時点灯(従来は点滅)し、より見やすくなったとしている。
シャッタースピードは最高1/8,000秒。最高シンクロ速度は1/250秒。
液晶モニターは色調変更可能なカラーカスタマイズ機能を持つ、3.2型約92万ドット。静音もしくは無音の静止画ライブビューモードを引き続き搭載する。
有線LANターミナルを搭載(1000BaseT、RJ-45コネクター)。
グリップ形状は手が小さくても持ちやすいよう最適化。背面形状やサブセレクターの材質・デザインも見直した。
電源はリチウムイオン充電池「EN-EL18a」でD4と同じ。撮影可能枚数は約3,020枚。ACアダプターは「EH-6b」(D4は同a)とパワーコネクターEP-6を併用。
外形寸法は約160×156.5×90.5mm(D4と同じ)。重量はバッテリーとXQDカード込みで約1,350g。本体のみで約1,180g。
動画記録(Dムービー)は最大1,920×1,080ピクセル60p/50pに対応(D4は1,920×1,080ピクセル30p/25p/24p)。リサイズなしにフルHD映像を生成する「1920×1080クロップ」を搭載した。圧縮方式はH.264/MPEG-4 AVC。
Dムービーでは、動画ライブビュー中の撮像範囲切り換え、HDMI出力とカメラ内メモリーカードへの同時記録、微速度動画撮影時に演算による露出変化の平滑化(ちらつき低減)を可能とした。別売HDMIケーブルHC-E1に対応するHDMIケーブルクリップを同梱。