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ニコン、往年の銀塩一眼レフを思わせる「Df」

D4と同じ35mmフルサイズセンサーを搭載。D800相当の防塵防滴、FX最小最軽量

 ニコンは、デジタル一眼レフカメラ「Df」を11月28日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格はボディのみが28万円前後、特別デザインの「AF-S NIKKOR 50mm F1.8 G」が付属するSpecial Editionキットが30万円前後の見込み。カラーはシルバーとブラック。

 メカニカルダイヤル主体の操作系を特徴とするデジタル一眼レフカメラ。「D4」のセンサーと画像処理エンジン、D800相当の防塵防滴性能、シャッター耐久15万回などを特徴とする。ボディはFXフォーマットで最小・最軽量とした。DfのFは「fusion」の意。本体上面に「MADE IN JAPAN」の記載がある。ペンタ部には擬革も見える。

 軍艦部には、シャッター速度ダイヤル、露出補正と感度の同軸ダイヤル、モードダイヤル(P/A/S/M)、を装備している。往年の一眼レフカメラを連想させる造形だが、一般的なデジタル一眼レフカメラのようにP/A/Sモードも利用可能。背面から見るとニコンDシリーズらしいコマンドダイヤルなどの各種操作部を備えている。

 非Aiレンズとの互換性も特徴としている。マウント部は可倒式の露出計連動レバーを備えており、カメラに事前登録した非Aiレンズは撮影毎の絞り値をサブコマンドダイヤルでカメラにもセットすることで、AとMの露出モードにおいて開放測光が可能になる。非Aiレンズは9本まで焦点距離と開放F値を登録可能。

 撮像素子と画像処理エンジンはフラッグシップ機「D4」と同一。35mmフルサイズ相当の有効1,625万画素CMOSセンサーにEXPEED 3を組み合わせる。感度はISO100-12800(拡張でISO50-204800相当まで)。JPEG、RAW(12ビット/14ビット)、TIFF形式での記録が可能。6種のピクチャーコントロールを適用できる。自動収差補正は既存モデルと同様としている。

 AFはマルチCAM4800オートフォーカスセンサーモジュールを搭載し、最大39点AF(クロス9点、中央7点F8対応)を行なえる。MF時のフォーカスエイドやAF微調整にも対応。測光は2,016分割RGBセンサーで3D-RGBマルチパターン測光IIを利用可能。

 シャッター速度は最高1/4,000秒。連写速度は約5.5コマ/秒。静音撮影モード(Qポジション)も搭載。ストロボは1/250秒以下で同調する。

 動画記録機能は非搭載。ライブビュー撮影、電子水準器、HDMI端子は搭載する。

 内蔵ストロボは非搭載。ニコンクリエイティブライティングシステム、アドバンスとワイヤレスライティングに対応する。

 ファインダーは倍率約0.7倍、視野率約100%のペンダプリズム式。丸窓でアイピースシャッターは持たない。

 記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード(UHS-I対応)。

 液晶モニターは3.2型約92万ドット。

 別売アクセサリーは、ワイヤレスリモートコントローラー「WR-1」「WR-R10」、GPSユニット「GP-1A」、ワイヤレスモバイルアダプター「WU-1a」などに対応。シャッターボタンはケーブルレリーズを取り付けられる。

 バッテリーはEN-EL14a。撮影可能枚数は約1,400コマ。

 外形寸法は約143.5×110×66.5mm。重量はバッテリーとSDカード込みで約765g、本体のみで約710g。参考までにこれまでFX最小最軽量を謳っていた「D610」は約141×113×82mm、約850g(バッテリーとSDカード込み)。

 オプションとして、Df専用のセミソフトケース「CF-DC6」を用意。価格は2万6,250円。ブラックとブラウンから選択できる。上ケースと下ケースに分かれた、いわゆる速写ケースと呼ばれるタイプ。下ケースのみでもボディジャケットとして使用できる。

セミソフトケース「CF-DC6」と、同時発表のプレミアムレザーストラップ「AN-SPL001」(7,350円)の組み合わせ例。
CF-DC6(ブラック)
CF-DC6(ブラウン)

 キットに付属の「AF-S NIKKOR 50mm F1.8 G(Special Edition)」はシルバーリングが外観上の特徴。ゴムローレットもAi-Sレンズのものを採用したという。光学系は通常モデルと同じ。単品価格は2万9,400円。

AF-S NIKKOR 50mm F1.8 G(Special Edition)

 なおニコンでは、「Nikon Df名入れサービス」を有料オプションで受け付ける。Dfのボディ前面にあるサブコマンドダイヤル部(絞り操作用のダイヤル)に、オーナーの名前を入れた金属製ネープレートを装着する。

 受付期間は2013年11月20日〜2014年1月31日。ニコンサービス窓口、または修理センターへのFAXで申し込みを受け付けるという。

(本誌:鈴木誠)