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ニコン、フラッグシップ一眼レフ「D5」正式発表

153点AF、拡張ISO3280000、選べるメディアスロットなど大幅な機能アップ

ニコンは、プロ向けのデジタル一眼レフカメラ「D5」を3月に発売する。FXフォーマットのフラッグシップモデル。

価格はオープン。店頭予想価格は税込75万円前後の見込み。

1999年発売の「D1」から続く、ニコンデジタル一眼レフカメラにおけるフラッグシップ系列の最新モデル。2014年発売「D4S」の後継モデルとなる。

特徴としては、AF関連および連写性能が強化されたことで、動く被写体への対応がより高まっていることが挙げられる。また、高感度画質も向上するなど、あらゆるシーン・被写体に対応できるべく、撮影領域の拡大を目指したという。

スポーツやポートレートのプロフォトグラファー、過酷な環境でのネイチャー撮影、ハイアマチュアがターゲットという。画像処理エンジンEXPEED 5による人肌の再現力から、ウエディング業界などにも推していくとのこと。動画も4K UHD記録が可能になっている。

常用ISO102400、拡張ISO3280000の高感度撮影を実現

D4Sに続き、35mm判相当のCMOSセンサーを採用。いわゆるニコンFXフォーマットを受け継ぐ。有効画素数は、D4Sの1,623万から2,082万へとアップした。

なお、今回からRAWデータが3種類となり、通常サイズのL(5,568×3,712ピクセル)に加え、RAWサイズM(4,176×2,784ピクセル)、RAWサイズS(2,784×1,856ピクセル)が選べるようになっている。

常用感度はISO100〜102400。拡張感度は最低側がISO50相当、最高がISO3280000相当。常用、拡張ともに、ニコン史上最高の感度となっている。

画像処理エンジンは、D4SのEXPEED 4から、新しいノイズ低減機能を搭載したEXPEED 5へ。スポーツ撮影などで使われるISO3200〜12800でも高画質だという。オートホワイトバランスの精度も向上しており、人物の肌色などの色再現に自信を見せる。

なおホワイトバランスAUTOは、「AUTO 0 白を優先する」「AUTO 1 標準」「AUTO 2 電球色を残す」の3種類から選べるようになった。AUTO 0は、D4Sの「AUTO 1 標準」に相当する。D5の新しいAUTO 1は、環境光の雰囲気と被写体本来のバランスが取れた仕上がりになるという。

153点の新AFシステム AF専用エンジンを搭載

D4SからD5へのアップデートおいて、最も特徴的なのがAF関連の強化だろう。測距点は51点から153点へと増加し、さらにその配置エリア全体の面積が、D4Sより130%以上と広くなっている。

ただし153点もあることから、1点ずつを選ぶ方式ではなく、そのうち55点を任意選択するシステムを採用する。

測距点153のうち99点がクロスセンサーであり、その中で選択可能なのは35点となる。テレコンバーター使用時にも、合成F値がF5.6なら153点が利用可能。F8対応の測距点も15点(選択可能9点)が設けられている。

AFエリアモードは、シングルポイントAFモード、ダイナミックAFモード(25点、72点、153点)、グループエリアAFモード、3D-トラッキング、オートエリアAFモードを用意。特にオートエリアAFモードをはじめ、さらに性能が向上したという。グループエリアAFモードでかつAF-Sのときは、顔優先AFも可能だ。

なおAFエリアモードの切り替えは、Pv、Fn1、Fn2の各ボタンに割り当てできる。被写体に合わせて素早い切り替えが行える。

またD5からは、AF-C時に「AFロックオン」を設定できるようになった。「横切りへの反応」(敏感〜鈍感)、「被写体の動き」(ランダム〜スムーズ)の2つのパラメーターを組み合わせて設定可能だ。

こうした強力なAFシステムをサポートすべく、D5ではAFセンサーに加えて、ニコン一眼レフカメラ初のAF専用エンジンを搭載した。これにより、シーケンス制御マイコンと複数の処理を並行して実行・高速処理し、高い応答性を実現。カタログでは「サッカーのセンタリング直後に、撮影者がボールの落下地点へと素早くレンズを振り、ヘディングする選手に即座にピントを合わせたいときなどに有効です」とある。

AFセンサーも新規の「マルチCAM 20Kオートフォーカスセンサー」に更新された。低ノイズを追求したことで、従来より低輝度下や低コントラストな被写体でもAFが可能になったという。低輝度側の検出限界は中央測距点で-4EV、その他の測距点で-3EVに対応。D4Sは-2EVだった。

細かいところでは、AF微調整機能にも手が加えられている。従来、撮影と確認を繰り返して微調整を行う必要があったが、D5からは静止画ライブビュー時に自動設定が可能になった。調整結果は「個別レンズ登録リスト」へ自動的に登録される。

なお測光センサーには、これも新型の180KピクセルRGBセンサーを採用する(D4Sは91Kピクセル)。より小さな顔の検出が可能になったほか、D4Sで-1EVだった測光の低輝度限界が、-3EVまで引き下げられた。

連写は12コマ/秒 ミラー駆動機構もリニューアル

連写性能もD4Sの10〜11コマ/秒から10〜12コマ/秒へと強化されている。もちろんAF/AE追随時の性能だ。ちなみにミラーアップ時には、14コマ/秒での撮影が可能になる(ただしスピードライトは発光しない)。ミラーアップ時には電子先幕シャッターも利用できる。

あわせてミラー駆動機構も新規に開発。ファインダー像の消失時間を短縮したことで、連写時の被写体を追いかけやすくなったという。シャッターユニットはレリーズ40万回のテストをクリア。

多重露出モードには「比較明合成」「比較暗合成」を追加。連写と組み合わせると、スポーツ選手の連続した動きを記録した画像が得られる。

4K UHD動画記録にも対応

4K UHD動画を記録できるようになったのもトピック。ニコンのD4SはフルHDまでだった。30p/25p/24pをカメラ内に記録できる。静止画と同様、最高ISO3280000での高感度撮影が可能だ。4K UHD動画から800万画素のJPEG画像をカメラ内で切り出す機能も備えている。

Camera Control Pro 2を使ったリモート動画撮影中、非圧縮の4K UHD動画をHDMIから出力可能。外部レコーダーへの非圧縮記録に対応する。

購入時にXQD、CFを選択 サービスセンターでのスロット交換も

昨年11月にD5の開発発表があったとき、「どのメディアスロットを採用するか」と話題になった。D4Sは現行モデルで唯一XQDカードスロットを装備する製品であり、XQDの性能の高さは皆認めるものの、汎用性の上で疑問視する声が高かったからだ。

答えは意外にも「XQDダブルスロット、またはCFダブルスロットの両方を用意する」というもの。ニコンではそれぞれ「XQD-Type」「CF-Type」と呼んでいる。CFはUDMA7に対応。

それぞれのTypeは購入時に選択できるほか、場合によってはサービス拠点でスロットごと変更することもできる。その際の料金は4万3,200円程度とのこと。

操作面でも大きなアップデートが見られる。プロ機としては珍しく、背面モニターにタッチパネルを採用したのもそのひとつだ。再生時に表示画像を切り替えるときは、フレームアドバンスバーという高速切り替え用のインターフェイスを利用可能。連写した画像を1コマずつスピーディーに確認できる。背面モニターは、3.2型約236万ドット。

もちろん、ライブビュー時にはタッチでフォーカスポイントを指定。タッチしたポイントにホワイトバランスを合わせる機能もある。

ファインダー視野率は約100%。倍率は約0.72倍。アイピースDK-17Fのレンズ両面とファインダー接眼レンズ最終面には、汚れがつきにくいフッ素コートが施されている。

今回からアイピースには、着脱可能なアイピースアダプターDK-27が取り付けられている。レインカバーを取り付けたDK-27を用意しておくことで、素早くレインカバーを装着できるというアイデアだ。

バッテリーはD4Sと同じくEN-EL18aを使用。1コマ撮影モード(CIPA準拠)で約3,870コマ、連続撮影モード(ニコン試験条件)で約8,160コマの撮影を可能とする。

ボディはマグネシウム合金。引き続き防塵・防滴性能を確保している。

他のニコン一眼レフと同様、iボタンを新たに搭載。前面に追加されたFn2ボタンと、Fn3ボタンは、縦位置撮影時での使いやすさにも配慮したという。

製品名 D5 D4S
有効画素数 2,082万 1,623万
記録媒体 XQD×2(XQD-Type)
CF×2(CF-Type)
XQD×1+CF×1
ファインダー 視野率100%
約0.72倍
アイポイント17mm
視野率100%
約0.7倍(50mm f/1.4レンズ時)
アイポイント18mm
最高シャッター速度 1/8,000秒 1/8,000秒
連続撮影速度 10〜12コマ/秒 10〜11コマ/秒
常用感度 ISO100〜102400 ISO100〜25600
拡張感度 ISO50相当〜
〜ISO3280000相当
ISO50相当〜
〜ISO409600相当
測距点数 153(選択可能55)
クロスタイプセンサー99(選択可能35)
F8対応15(選択可能9)
51
クロスタイプセンサー15
F8対応11
動画記録画素数(最高) 3,840×2,160 1,920×1,080
内蔵マイク ステレオ モノラル
画像モニター 3.2型約236万ドット 3.2型約92万ドット
タッチパネル
USB端子 USB 3.0 USB 2.0
撮影可能コマ数 約3,780 約3,020
外形寸法 約160×158.5×92mm 約160×156.5×90.5mm
質量(本体のみ) 約1,235g(XQD-Type)
約1,240g(CF-Type)
約1,180g

1月6日11時20分修正:記事初出時の記載から、D5の連写速度を12コマ/秒→10〜12コマ/秒、ファインダーのアイポイントを18mm→17mmに訂正しました。