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「ライカT」体感イベント&トークショーレポート
アルミ削り出しユニボディによる高い質感
Reported by 本誌:武石修(2014/5/1 08:00)
ライカカメラジャパンは4月27日、レンズ交換式デジタルカメラの新製品「ライカT」(Typ 701)の体感イベントをライカプロフェッシュナルストア東京(ライカ銀座店2階)で開催した。
イベントではタッチアンドトライのほか河田一規氏と藤井智弘氏によるトークショーも行われた。ここではその模様をお伝えする。なお、ライカTの詳細についてはこちらを参照されたい。
なお、同イベントは5月10日にライカ京都店でも開催する。
ライカTは、新規のライカTマウントを採用するミラーレスカメラ。カメラとして世界初という、アルミの塊から削り出した「ユニボディ」を採用したのも大きな特徴となっている。
挨拶した独ライカカメラAG プロダクトマネージャーのステファン・ダニエル氏は、「クラフトマンシップ、デザイン、使いやすさというライカのコアバリューのすべてが具現化されたカメラ。『パーフェクトとはシンプルなことである』というコンセプトで開発した。カメラとしての本質を追究したということ。ストラップなどのアクセサリーも見事にマッチする」と紹介した。
ユニボディについては、「画期的なコンセプト。1台に付き45分掛けてこれ以上ないほど削る。クラフトマンシップの真骨頂」と話した。
ライカTはタッチパネルを採用することで基本的なメカニカルな操作部は4つと少ない。「絶対に必要なもののみになるように削ぎ落とした。不要なものは何1つない」と話し、シンプルなデザインに徹したことを強調していた。
続いて、河田一規氏と藤井智弘氏によるトークショーが行われた。 両氏は既にライカTを試用しており、作例も交えながら魅力を語った。
デザインについて河田氏は、「金属製のカメラは多いが、ライカTは他のカメラにはない高い質感がある。ライカは新しいカメラの製作方法を実現した。デザインのためのデザインが普通である中、それを無くそうという部分はアップルの製品を思わせる。カメラのデザインはとても重要。iPhoneのようにいつも持っていたいと思うには質感が良くなければならない」とした。
藤井氏は、「最初に見たときにライカCを思い出した。(ライカCと同じ)アウディデザインに違いないと思った。カメラは質感が高くないと使おうとは思わないもの」とした。
両氏はシャッター音にも触れた。「非常に小さな音。ライカMよりも小さい。ユニボディということが効いているのはないか。スナップ撮影をする人にはしびれる要素」(河田氏)。藤井氏も「とても気持ちのいいシャッター音。さりげなく撮れる」と評価した。
また、ウル・ライカの誕生から今年で100年だが、「ウルライカと並べてみてもすぐライカとわかるデザイン」(河田氏)だとした。
操作面では、ライカTに再生ボタンはなく、タッチパネルを上下方向になぞると再生が始まるといった珍しいユーザーインターフェースを解説した。メニュー画面もカスタマイズ可能で、よく使うメニューを集めて登録することもできるという。
「操作部が少ないのにカスタマイズで使いやすくできる。慣れると指が覚えて快適に操作できる」(河田氏)。
レンズは「ズミクロンT f2/23mm ASPH.」、「バリオ・エルマーT f3.5-5.6/18-56mm ASPH.」の2本を用意する。藤井氏は、「Mマウントのレンズと同じ金属製で、リングにゴムを使っていない。ゴムが白くなったりせずに長く使える」とした。
描写については、「シャドウ部の階調が良く出る。ISO1600で撮影してもノイズが少ない。レンズはズームもボケ味が良い。強い光の反射を入れてもゴーストが出ないし、四隅が流れることもない」(藤井氏)。河田氏は、「モノクロモードの描写が気に入った。他のカメラだとシャドウの締まりが今ひとつだったが、ライカTはシャドウの締まりとトーンが良い。モノクロ専用カメラを出すほどのメーカーだけあって、モノクロを大切にしているのがわかった」と述べた。