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ケルンメッセ、「フォトキナ2014」の概要を発表
Reported by 本誌:鈴木誠(2014/4/15 15:09)
ケルンメッセ株式会社は4月14日、ドイツ・ケルンで9月16日に開幕する写真関連イベント「フォトキナ2014」に関する記者会見を行なった。
フォトキナ(Photokina)は、1950年から64年の歴史を持つ世界最大規模の写真関連イベント。ケルンでの開催は33回目となる。
2012年は18万5,000人が来場
ケルンメッセ副社長(COO)のカタリーナ・クリスティーネ・ハマ氏は、フォトキナ2014の概要を説明した。
2014年は写真技術が始まって175周年と前置き、「イメージングの全ての世界を一堂に集めてきたフォトキナは、写真ファンのメッカであり、最大の主要見本市として定着し、より重要性を増している。メーカー、ユーザーを全て集めてしまおうという点で、他に類を見ない」と説明。「技術展示だけではなく、プロや趣味で関わる全ての人が見逃してはいけないイベント」と強調した。
前回の2012年は世界166カ国から18万5,000人が来場。48%が業界関係者で、うち42%が国外からの訪問だった。報道関係者は73カ国から6,000人以上が訪れ、2万2,000件の報道があり、2億人以上がそれを見たという。
また、2013年の日本メーカーによるカメラ出荷は6,300万台で、うち2,000万台以上がヨーロッパに出荷されていることから、欧州市場が重要であるとした。
2014年の展示スペースは80%がすでに埋まっており、40カ国から1,000社の出展を見込む。アクションカム、カメラでの動画撮影、カメラとインターネット、カメラとカメラの接続に関わる製品が重要テーマになるだろうと話した。
加えて、動画撮影のための製品紹介やキーノートスピーカーを揃える「フォトキナムービー」、今日の若い人々に向けて写真に対する新しいアプローチを与えるという「フォトキナコミュニティ」も実施する。
会期中は、会場外でもケルン中が写真一色に染まるとアピール。新しい層に写真の魅力を知ってもらい、全市民・来場者に写真と関わる機会を提供するとした。
写真の175年をたどる展示も
ドイツ写真工業会 専務理事のクリスチャン・ミュラー=リーカー氏は、カメラに関する市場動向について述べた。
リーカー氏は、カメラ技術の発展・スマートフォンの普及が進むとともに市場規模も変化すると説明。高級機種への需要が高まっており、この傾向が今後も続くと見込む。ただ、家庭使用における平均寿命がコンパクトカメラの3年に対し高級機は5年と長く、販売台数自体は減っていくとの考えを示した。
スマートフォンはコンパクトカメラ販売減少の一因とされているが、スマートフォンがなかったとしても、コンパクトカメラの販売減少は不可避だったろうと話す。スマートフォンは単にデジタルカメラの競争相手ではなく、Wi-Fi機能など「その多機能性がカメラの進化にインスピレーションを与えているだろう」とした。
2014年の見通しとして、低価格コンパクトデジタルカメラの販売台数減少を見込み、高級機は今後も伸びるだろうと述べた。