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パナソニック、マイクロ分光素子を用いた高感度化技術を開発

カラーフィルターのかわりに回折現象による色分離を利用

 パナソニック株式会社は4日、独自開発の「マイクロ分光素子」でイメージセンサーの光利用効率を高める高感度化技術を開発したと発表した。既存方式のカラーフィルターを置き換えることにより、カラー撮影時に従来比約2倍の高感度化を実現したという。

 入射光の50〜70%が失われるという既存のカラーフィルター方式に対し、光利用効率が高い点を特徴とする技術。各画素に配置していたカラーフィルターに代わり、板状の高屈折率透明体を通過する光の位相を制御し、回折現象を生じさせて色ごとに色分離するマイクロ分光素子を利用。光の波の性質(光波)を高速・高精度に解析するための実用的な光学設計技術も独自開発したとしている。

 マイクロ分光素子で分離した光は、撮像素子上で組み合わせて色再現する。一例として、光を原色と補色に分離する構造を使う場合は白+赤、白−赤、白+青、白−青の4つの色の画素が得られ、演算処理で解像度を損ねることなく通常のカラー画像に変換できるとしている。

 同技術で用いるマイクロ分光素子は、従来の半導体デバイス製造に用いられている無機材料や加工プロセスで形成でき、CCDやCMOSといったセンサーの種類に依存せず適用できるとしている。

(本誌:鈴木誠)