キヤノン、「EOS-1D X」でF8測距を可能にするファームウェア


 キヤノンは18日、デジタル一眼レフカメラ「EOS-1D X」の最新ファームウェアを公開した。バージョン番号は1.1。

EOS-1D X。発売は6月。実勢価格は64万8,000前後

 変更点は次の通り。

・開放F8でのAF対応

 エクステンダーを装着して開放F8になる組み合わせでもAFが可能になる。従来は開放F5.6までだった。これにより現行レンズでAF可能な最長の焦点距離は、「EF 600mm F4 L + エクステンダー1.4x」の840mmから「EF 600mm F4 + エクステンダー2x」の1,200mmに延びた。

 同社では一例として、「EF 400mm F5.6 L + エクステンダー1.4x」の560mmや「EF 100-400mm F4.5-5.6 L IS +エクステンダー1.4x」の100~560mmでもAF可能な点を挙げている。なお現行品ではないが、EFレンズで最も焦点距離の長い「EF 1200mm F5.6 L USM」にエクステンダー1.4xを組み合わせた1,680mmでもAFは可能という。

 “5.6<F<8”時のAFポイントは中央1点のクロス測距。さらに中央1点の周囲の上下(縦線検出)および左右(横線検出)の4点(任意選択不可)を使った領域拡大も可能。前モデルの「EOS-1D Mark IV」はF8までのAFに対応していたが、“5.6<F<8”時は中央1点の横線検出のみだった。

 エクステンダーはI/II/III型のいずれでもF8までのAFに対応する。なおEOS-1D Mark IV同様、「EF 180mm F3.5 L + エクステンダー2x」でのAFには対応していない。

・AIサーボAF時の測距点照明

 AIサーボAF中に測距点を赤く点滅させる機能を追加した。「明るさを判別して自動で照明」、「常に照明」、「照明無し」から選択できるとともに、明るさも2段階から選択できる。「暗いところや黒い被写体で測距点がどこにあるか見えにくい、という不安を改善する」としている。

 EOS-1D Mark IVでは、任意選択時のAIサーボAF測距中は常に点灯していた。

・そのほかの改善

 レンズ着脱のタイミングによって、AFセンサーの測光値が異常となり、撮影した画像が真っ黒になる現象を修正した。

 またAEB撮影の際に“Err 70”となる現象を修正した。

 さらに、レンズのファームウェアアップデートが正常に行なえない現象を修正した。





(本誌:武石修)

2012/10/18 18:14